百箇日法要とは?家族のみで行う準備やマナーなど忌明け後の供養まとめ

いくつか故人のために行う法要がある中で百箇日法要をどうするかご検討中ではありませんか?

「四十九日法要はしたけれど百箇日法要もやるべき?」
「一周忌や三回忌といった年忌法要との違いはなに?」
「家族のみで法要を行う場合の準備やマナーは?」

このように百箇日法要にまつまる悩みや疑問があれば本記事を参考にしながら解決しましょう。

◆この記事でわかること
  1. 百箇日法要の意味や目的、流れについて
  2. 百箇日法要の費用相場や必要な準備について
  3. 百箇日法要の服装や持ち物などのマナーについて

ぜひ、本記事を活用していただき、故人の節目となる大切な供養にお役立てください。

百箇日法要とは?

百箇日法要とは、故人の命日から100日目を迎えて行う法要です。四十九日が過ぎた忌明け後に初めて行われる節目の法要ではありますが、一周忌や三回忌といった年忌法要とは違った意味をもちます。

年忌法要は故人が亡くなった同じ月日となる「祥月命日(しょうつきめいにち)」が訪れるたび故人を偲びながら弔うものです。

他方で「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれる百箇日法要は、遺族が故人の逝去に声をあげて泣いていた状態の「哭」から解放される節目。遺族にとっては、故人の死への悲しみに区切りをつけて少しずつ日常を取り戻すための儀式となります。

百箇日法要は必要なの?
近年、家族形態や宗教観の変化などにより、百箇日法要は省略されたり家族のみで行われたりする傾向にあります。大切なのは故人への祈りや遺族の気持ちの切り替えですから、法要の実施や内容については親族で話し合って決めるようにしましょう。

百箇日法要の流れ

ここでは百箇日法要の一般的な流れを確認しておきましょう。

流れ内容
挨拶施主から法要の趣旨や故人への弔いを述べます。
読経(どきょう)僧侶にお経をあげてもらいます。
焼香(しょうこう)参列者は順番に焼香をして故人に手を合わせます。
お斎(おとき)参列者で会食をしながら故人を偲びます。

たとえ家族のみで行う場合でも、事前に流れを伝えておいたり、焼香のやり方を説明したり、丁寧に参列者をサポートしましょう。

百箇日法要に必要な費用

ここでは、百箇日法要にかかる費用の相場について項目ごとに確認しておきましょう。

内容詳細相場
お布施御本尊へのお供えとして僧侶に預けるお金3万円~5万円
御車代僧侶に会場まで出向いてもらう場合の交通費5千円~1万円
御膳料会食に参加しない僧侶に渡す食事代3千円~1万円
会場費お寺や会館などを使用する場合の会場使用料5千円~5万円
会食費法要後に行う「お斎(おとき)」にかかる費用3千円~1万円
その他供花、お供え物、仏様の食事となる「陰膳(かげぜん)」など3千円~1万円

どれくらいの費用がかかるかは法要の規模や開催場所などによって差がありますので、あくまでも目安としてご参照ください。

百箇日法要の準備

百箇日法要を行うのであれば、家族のみでも開催できるよう必要な準備をしましょう。

  • ●日程を決める
  • ●会場を手配する
  • ●会食を手配する
  • ●参列者に連絡する
  • ●お供え物を用意する
  • ●引き出物を用意する
  • ●お布施などを用意する
  • ●参列者は香典を用意する

それぞれの準備について詳しく紹介していきます。

日程を決める

本来は故人の命日から100日目に行うのが正式な供養ですが、なにかの事情で難しい場合はできるだけ前倒しで行えるよう予定を立てましょう。親族の都合だけでなく、お寺や会館などを利用する場合は可能な日時を確認することもポイントです。

会場を手配する

百箇日法要の会場としては、お寺、会館、自宅が主な場所となりますので、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら検討しましょう。

会場メリットデメリット
お寺・僧侶を手配しなくてよい。
・仏教の教えにもとづいて行ってもらえる。
・法要の場にふさわしい雰囲気で行える。
・遠方の場合は訪れるのに時間がかかる。
・お寺の都合に合わせた日程になりやすい。
・会場使用料が必要な場合がある。
会館・法要プランが用意されている。
・会食の手配をしなくてよい。
・必要な準備を任せられる。
・駐車場が完備されている。
・規模や内容によって予算が上がる可能性あり。
・会場に合わせた日程を選ばなければならない。
・お寺にあるような宗教色がない。
自宅・親族だけの都合で日程が決められる。
・故人を偲ぶのにふさわしい雰囲気で行える。
・お寺や会館よりも予算が抑えられる場合がある。
・僧侶の手配や必要な準備をしなければならない。
・お店の予約や食事の準備など会食の手配が必要。
・スペースが限られるため参列者も限定される。
・参列者のための駐車場が確保しづらい。

もし、仏様の御位牌や先祖代々の墓を任せている「菩提寺」がある場合は、日程のほか、お布施の金額や必要な準備などを事前に相談しておきましょう。自宅での読経だけお願いする場合でも、僧侶の都合を確認した上で予定を立てるようにします。

菩提寺のほか特定のお寺との付き合いがない場合は、法要を予定している地域の中から探すか、どの地域からでも利用できる「お坊さん便」などの僧侶手配サービスを利用するのもひとつです。

会食を手配する

法要後は、参列者とともに「お斎(おとき)」と呼ばれる会食をしながら故人を偲ぶのが通例です。お寺や会館では会食を含んだ法要を設けてもらえますが、自宅で行う場合は仕出しを注文したり、お店を予約したりして会食の場を設けるようにしましょう。

お斎については詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

法要後の会食「お斎(おとき)」料理の決め方や場所の選び方からマナーまで

参列者に連絡する

どこまでの対象者を案内するか決めたら、先方に法要の日時や場所などの詳細を連絡しましょう。同居家族や日頃から交流のある親戚なら電話やメールでもかまいませんが、家族以外の参列者には案内状を出すのがマナーです。

法要の案内状については詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

【例文付き】法要の案内状《会食あり・家族のみ・戒名記載など》四十九日法要から年忌法要まで

お供え物を用意する

百箇日法要などの仏事では、「五供(ごくう)」と呼ばれるお供え物を用意するのが慣わしです。ただ、四十九日を過ぎて忌明けしていますので厳密になり過ぎず、故人が好んでいたものや遺族の気持ちを反映させたものなどを供えてもかまいません。

五供(ごくう)詳細
線香や焼香など香りの立つもの。
菊、ユリ、スプレーマムなど。※椿、バラ、ボタンは不向き。
灯明ろうそくの灯り。
浄水お水、お茶。
飲食ご飯、お菓子、果物など。

引き出物を用意する

お供え物や参列へのお礼として参列者に引き出物を用意します。予算の相場は2千円~5千円程度ですが、法要の規模や参列者数に合わせて適切に設定しましょう。引き出物の掛け紙は「熨斗(のし)」なし、水引は黒白か黄白の結び切り、表書きは「粗供養」「志」などとします。

尚、法要の引き出物については、詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

法事の引き出物《相場・品物・掛け紙》お返しマナーまとめ

お布施などを用意する

百箇日法要では、お布施などのお金を僧侶に渡します。いくらくらい必要かは宗派や寺院によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

お布施一般的に読経などの謝礼とされるが、本来は御本尊へのお供えとして預けるお金。
御車代お寺以外の場所で法要を行う場合、僧侶に渡す会場までの交通費。
御膳料お斎(おとき)と呼ばれる会食を僧侶が辞退した場合に渡す食事代。

お布施など、法要で僧侶に渡すお金については詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてお読みください。

法事・法要で僧侶に渡すものは?お布施や引き出物などマナーまとめ

参列者は香典を用意する

百箇日法要に参列する場合は香典を用意します。もし案内されているのに参列できない場合も香典だけは送るのが丁寧です。

香典の金額は故人との関係性によって幅がありますが、限られた家族のみで行う場合は「香典なし」にして法要費用を分担するケースもあるので事前に相談しておきましょう。

関係金額相場
親族5千円~1万円
友人、知人3千円~5千円

また、香典は包む金額に合わせた不祝儀袋に入れます。水引は黒白か黄白の結び切り、表書きは「御仏前」、あるいは宗教も宗派も問わない「御霊前」などとします。薄墨で書くのは初七日法要までですので、百箇日法要では「濃墨」の毛筆や筆ペンを使用しましょう。

百箇日法要にあたってのマナー

ここでは、百箇日法要にあたっての気をつけたいマナーを紹介します。

  • ●家族のみでも準喪服を着用する
  • ●参列者は数珠や経本を持参する
  • ●法要しない場合も親族同士で気遣う

それぞれのマナーについて見ていきましょう。

家族のみでも準喪服を着用する

家族のみで行う場合でも三回忌までは準喪服を着用するのがマナーです。参列者によって服装に違いがありますので、それぞれのポイントを確認しておきましょう。

参列者服装例
男性ブラックスーツ、白無地のシャツ、黒のネクタイやシューズ
女性ブラックフォーマル(アンサンブル・ワンピース・スーツ)、黒のストッキングやパンプス
子供制服か落ち着いた色のお出かけ着(ロンパース、スーツ、ワンピースなど)

参列者は数珠や経本を持参する

数珠は法要などの仏事に参列するときに必須ですので、宗派に合わせた「本式数珠(宗派別数珠)」か宗派を問わず使える「略式念珠」を用意しましょう。場合によっては参列者も僧侶と一緒に読経することがありますので、必要に応じて経本も準備しておきましょう。

法要しない場合も親族同士で気遣う

さまざまな事情で百箇日法要を行わない場合でも、親族同士で気遣うようにしましょう。また、故人にとっては大切な節目ですから、形式にこだわらずともそれぞれの立場で故人を弔うことが大切です。

施主の場合
・参列を予定しているであろう親族に法要をしない旨の連絡をします。
・お供え物や故人の好物などを、お墓や仏壇に手向けて故人への供養をします。
・お経をあげるか、お経の音声を流すなどして故人の冥福を祈ります。
施主以外の場合
・遺族に対して電話や手紙で故人への弔意や遺族への労いなどを伝えます。
・お供え物や故人の好物などを故人宅へ送るか直接届けて故人への供養をします。
・お墓や仏壇に線香をあげたり焼香をしたりして故人の冥福を祈ります。

まとめ

百箇日法要は故人の命日から100日目を迎えて行う法要で、故人を弔うだけでなく、遺族にとっては悲しみに区切りをつけて日常を取り戻すための儀式でもあります。

四十九日法要や一周忌法要などとは意味合いが違うため省略されたり最小規模で行われたりなどする傾向はありますが、大切な節目ですので家族のみで行う場合でも丁寧に準備をすすめましょう。

どの場所で、どのような内容で行うかによって法要費用に差がありますので、施主を務める場合は相場を目安にしながら予算について検討することも大切です。また、本記事で紹介した法要のための準備やマナーも参考にして、故人と遺族にとっての大切な節目をお迎えください。

尚、法要については別の関連記事もありますので、よければ合わせてご参照ください。

【早見表あり】法要は何回忌までやる?数え方からマナーまで解説

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