法事と法要はどう違う?忌中と喪中など法要の種類を分かりやすく解説

故人を供養するため行われる法事や法要ですが、その違いが何か、どのタイミングで催すのか、いろいろ気になることも多いですよね。

ほかにも、「どんな種類の法要があるの?」「喪が明けても法要はやるべき?」「いつまで法要を行うの?」など、疑問もあるのではないでしょうか。

本記事では、法事や法要を準備される方のため、以下の内容で解説します。

  • 法事と法要との違い
  • よく行われる法要の種類と時期
  • 法要に関係のある忌中・喪中について

ぜひ、本記事を参考にして、ふさわしいタイミングで適切な法事・法要を行ってください。

法事とは?法要との違いは?

法事や法要は親族や縁のあった人が故人をしのぶため営まれますが、その違いが曖昧にならないよう特徴を確認しておきましょう。

  • 法事……会食を含む供養行事
  • 法要……僧侶が行う供養儀式

ここから、それぞれの違いについて解説します。

法事とは会食を含む供養行事

本来、法事とは仏教にもとづく行事そのものを意味しますが、一般的に「追善供養」といって故人の冥福を祈るため行う供養のことと認識されています。

追善供養における法事では親族や故人と縁のあった人たちが集まり、僧侶を招いてお経をあげてもらったり、会食の場で生前の故人を懐かしんだりして過ごします。

法要とは僧侶が行う供養儀式

法要とは故人に対して行う供養のことで、僧侶が法事でお経をあげる行為を指します。

つまり、

  • 僧侶とともに故人の冥福を祈る供養儀式が法要
  • 法要から法要後の会食までの弔事(ちょうじ)全体が法事

です。宗派によって解釈の違いがあるものの、法要は「故人が極楽浄土に迎えられるように」という仏教の考えにもとづき行われます。

よく行われる法要の種類と時期

故人の冥福を祈るための法要には、内容や行う時期によって種類が異なります。

ここでは、よく行われる法要の種類を3つのカテゴリーに分けて紹介しましょう。

  • 初七日や四十九日などの忌日法要
  • 一周忌や三回忌などの年忌法要
  • 初盆や初彼岸など忌明けの法要

それぞれ詳しく解説しますので、ご参考ください。

初七日や四十九日などの忌日法要

忌日法要とは、故人が亡くなった日(忌日)から7日ごとに行う法要のこと。本来は初七日から四十九日までの忌中に故人の成仏を祈って行われます。

◆忌日法要

  • 初七日(しょなのか)・・・忌日から7日目
  • 二七日(ふたなのか)・・・忌日から14日目
  • 三七日(みなのか)・・・忌日から21日目
  • 四七日(よなのか)・・・忌日から28日目
  • 五七日(いつなのか)・・・忌日から35日目
  • 六七日(むなのか)・・・忌日から42日目
  • 七七日(なななのか)=四十九日・・・忌日から49日目

現代では昔と違って住環境や生活状況が様変わりしたため、繰り上げ法要といって葬儀の日に初七日法要を済ませて四十九日法要までの法要を省略したり、あるいは僧侶を伴わず遺族だけで執り行ったり、本来の形で行われない傾向にあります。

また、遺骨を骨壺に納めて仏壇に設置する納骨法要、お墓を建てたときや仏壇を購入したときに行う開眼法要を四十九日法要と同日にするケースも。

ちなみに忌日から100日目に行われる百か日法要も故人への哀悼に区切りをつける「卒哭忌(そっこくき)」として忌中にされるため忌日法要のひとつにはなりますが、現在では省略される傾向です。

一周忌や三回忌などの年忌法要

年忌法要とは、故人が亡くなった日(命日)から1年、2年と節目の年ごと、あるいは8回か11回で行う法要のこと。

ここで注意したいのは、「一周忌」と「一回忌」の違いです。「一回忌」は故人が亡くなった日(命日、忌日)を指しますが「一周忌」は故人が亡くなった翌年(満1年)の法要を指します。

年忌法要は「一周忌」から始まり、亡くなった日から満2年になる二周忌は「三回忌」とされ、それ以降も「○回忌」と表現されます。

◆年忌法要

  • 一周忌(いっしゅうき)・・・命日から満1年目
  • 三回忌(さんかいき)・・・命日から満2年目
  • 七回忌(ななかいき)・・・命日から満6年目
  • 十三回忌(じゅうさんかいき)・・・命日から満12年目
  • 十七回忌(じゅうななかいき)・・・命日から満16年目
  • 二十三回忌(にじゅうさんかいき)・・・命日から満22年目
  • 二十七回忌(にじゅうななかいき)・・・命日から満26年目
  • 三十三回忌(さんじゅうさんかいき)・・・命日から満32年目
  • 三十七回忌(さんじゅうななかいき)・・・命日から満36年目
  • 四十三回忌(しじゅうさんかいき)・・・命日から満42年目
  • 五十回忌(ごじゅっかいき)・・・命日から満49年目

五十回忌以降は百回忌、百五十回忌と、50年ごとに年忌法要が行われることもありますが、一般的には三十三回忌で弔い上げ(最後の法要)とし、永代供養を行います。

また、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、三十三回忌(最終)のみ行うのも現代の傾向です。

初盆や初彼岸など忌明けの法要

故人がなくなってから四十九日を過ぎると「忌明け(きあけ)」になり、そこから初めて迎えるお盆を「初盆(はつぼん・ういぼん)「新盆(にいぼん・あらぼん)」、お彼岸(ひがん)を「初彼岸」といいます。

初盆や初彼岸で僧侶を招いた法要を行うかどうかは家庭や地域、宗派によって異なりますが、お墓参りをしたり、お供えものを用意したり、故人を供養するのは一般的です。

法要に関係のある忌中・喪中とは?

故人を供養する法要は忌中(きちゅう)や喪中(もちゅう)に行われることが多いため、ここでは「違い」や「マナー」「対象の範囲」について確認しておきましょう。

  • 忌中と喪中の違いは「期間」
  • 忌中と喪中の正しい過ごし方
  • 忌中と喪中にやっておくこと
  • 忌中や喪中に該当する人の範囲

それぞれ詳しく解説しますので、ご参考ください。

忌中と喪中の違いは「期間」

忌中と喪中の違いは、ご不幸があった日からの期間です。

  • 忌中・・・四十九日(神式は五十日祭、キリスト教は五十日祭または1カ月後の召天記念日まで)
  • 喪中・・・宗教を問わず1年間

いずれも「故人の死に哀悼の気持ちをあらわすため身を慎む期間」とされ、この期間の過ごし方を「喪に服す」「忌に服す」などと表現します。

忌中と喪中の正しい過ごし方

忌中も喪中も基本的に過ごし方は同じで、故人をしのんで身を慎むため、お祝い事や華やかな社会活動を控えるのがマナーです。

◆忌中に控えたいこと

  • 結婚式(極力避ける)
  • 新年のお祝い(正月飾り、年賀状、華美な料理など)
  • 神社参り(初詣、お宮参り、七五三、成人式、安産祈願など)

◆喪中に控えたいこと

  • 結婚式(可能な限り避ける)
  • 新年のお祝い(正月飾り、年賀状、華美な料理など)

結婚式を予定した新郎新婦側であれば喪が明けてからに変更し、結婚式や披露宴に招待されたゲスト側であれば基本的には辞退するか忌明けなら喪中である旨を伝えて新郎新婦側に相談するかしましょう。

新年のお祝いはせず、おせち料理を作るにしても鯛や海老、紅白かまぼこなどの縁起物を避け、お雑煮、お屠蘇(おとそ)といった正月祝いの品は出さないように注意を。

神社参りは神道にもとづくため、忌中に訪れるのはNGですが、お寺は仏教施設ですから忌中でも喪中でも参拝してかまいません。

忌中と喪中にやっておくこと

法事以外で忌中や喪中にやることを確認しましょう。

ここでは、忌中~喪中にやっておくことを時期やポイントとともに解説します。

香典返し

お通夜やお葬式で香典を受け取った場合、忌明け後の1カ月以内に香典返しをします。

一般的には「即日返し」といい、お通夜やお葬式の当日に3千円~5千円の定額でお返しする傾向が強いです。

香典の相場は1万円とされていますので、高額の香典を受け取った場合は差額分の「半返し」で対応しましょう。

場合によっては「香典の辞退(喪主)」「香典返しの辞退(参列者)」などのケースもあります。

香典を辞退するときは案内状を、香典返しを辞退した方には挨拶状お礼状を送るのもマナーです。

喪中ハガキの送付

忌中や喪中に控えるべき年賀状については、代わりに喪中ハガキを出します。

喪中ハガキには「喪中につき年始の挨拶を欠く旨」「誰がいつ亡くなったか」「感謝の言葉」を綴るのが一般的です。

喪中ハガキを出す時期は相手が年賀状の準備を始める11月中旬から12月上旬までがマナーですが、12月に不幸があった場合は喪中ハガキを送らずに年明け1月7日の松の内を過ぎてから寒中見舞いを送ります。

年賀状のお礼を兼ねた寒中見舞いには、「お見舞いの言葉」「年賀状へのお礼」「喪中のお知らせ」「お知らせが遅れたお詫び」に加え、「先方の健康や多幸への祈願」を添えるとよいでしょう。

四十九日法要などの準備

忌中を終える四十九日には節目の法要を行いますので、会場を決めたり、僧侶に依頼したり、位牌を納める仏壇を用意したり、納骨に必要な手配をしたり、法要までの準備を整えます。

本来、忌中には故人の命日から7日ごとに法要を行うのが慣わしですが、お葬式で「繰り上げ法要」として初七日法要を兼ねるケースもありますし、二七日(ふたなのか)や三七日(みなのか)などの法要を省略・簡略するケースも増えています。

各法要については、地域のしきたりや家族の判断などに沿って準備しましょう。

遺品の整理

遺品の整理は四十九日法要後に始めるケースが一般的です。

ただ、故人の住んでいたアパートやマンションが賃貸の場合は解約までに整理したり、遺族の気がすすまないときは整理を先延ばしにしたり、ケースバイケースでかまいません。

遺品整理と形見分けを兼ねる場合もありますので、必要に応じて親族でタイミングを話し合いましょう。

忌中や喪中に該当する人の範囲

すべての親族が忌中や喪中に該当するわけではなく、一般的には「故人の2親等まで」とされています。

  • 妻、夫・・・0親等
  • 故人の父母、配偶者の父母、子ども・・・1親等
  • 故人の孫、故人と配偶者の祖父母、故人と配偶者の兄弟姉妹とその配偶者・・・2親等

もし、故人の2親等までに該当するのであれば、期間やマナーに注意しましょう。

ふさわしい時期に適切な法事や法要を準備しよう

法事や法要は故人の冥福を祈り、生前の故人との日々を懐かしみ、故人と縁のあった人たちと故人をしのぶための大切な催しです。

法要は仏教にもとづく宗教的儀式で、僧侶にお経をあげてもらい故人を供養します。法事は法要から会食までの弔事(ちょうじ)全体を指します。

現在は、親族が離れて暮らしていたり、仕事で都合がつかなかったり、本来の形ですべての法要を営むのは難しいため、一部だけ行う傾向にありますので一般的な種類や回数、タイミングを参考にしましょう。

また、忌中や喪中は身を慎む期間として慶事や華やかな社会活動を控え、喪中ハガキの手配や遺品の整理など、必要に応じて対応してください。

 

これからの法事や法要の準備のため、本記事がお役に立てますように。

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