弔い上げ(上げ法要)とは?お布施相場から法要後の供養まで御弔いまとめ

故人への最後の供養となる弔い上げ(上げ法要)をどうするかご検討中でしたら、本記事をご活用ください。

「弔い上げ(上げ法要)とは?いつやるもの?」
「弔い上げ(上げ法要)でやることや法要後の供養は?」
「弔い上げ(上げ法要)のお布施や服装はどうする?」

このように弔い上げ(上げ法要)にまつまる悩みや疑問があれば本記事を参考にしながら解決しましょう。

◆この記事でわかること
  1. 弔い上げ(上げ法要)の意味やタイミングについて
  2. 弔い上げ(上げ法要)で渡すお布施相場について
  3. 弔い上げ(上げ法要)の服装マナーや準備について

ぜひ、本記事を活用していただき、故人にとっても親族にとっても特別な供養にお役立てください。

弔い上げ(上げ法要)とは?

弔い上げ(上げ法要)とは、故人を供養するために行う最後の年忌法要です。仏教にもとづく考え方として、弔い上げにより故人の魂が成仏して極楽浄土に行けるとされています。

また、弔い上げは三十三回忌や五十回忌といった節目に行われるのが慣例ですが、これは仏教における「故人の魂は長い年月を経て浄化される」といった教えがあるためです。

いわば法要の総仕上げのようなものですから、通常の年忌法要より盛大に行われるのも弔い上げの特徴。ただ、親族の年齢や家族構成、生活環境などの事情から、近年では三回忌以降で早めに弔い上げが営まれる傾向もあります。

弔い上げ(上げ法要)の節目は宗教や宗派によって異なるため、それぞれの時期や考え方の違いを確認しておきましょう。

宗派年忌法要と一般的な弔い上げ(上げ法要)
真言宗一周忌から十七回忌まで行ったあと、二十三回忌と二十七回忌をとばして二十五回忌、弔い上げの三十三回忌を行う。また、五十回忌、百回忌、百五十回忌などの遠忌(おんき)を行う場合もある。
曹洞宗一周忌から十七回忌まで行ったあと、二十五回忌、弔い上げの三十三回忌を行うが、二十五回忌を行わず二十三回忌と二十七回忌を行う場合もある。また、五十回忌以降も50年ごとに行う場合がある。
日蓮宗一周忌から十七回忌まで行ったあと、二十五回忌、弔い上げの三十三回忌を行うが、二十五回忌を行わず二十三回忌と二十七回忌を行う場合もある。ただし、四十九日を過ぎた忌明けとともに成仏となるため「弔い上げ」の概念がない。
臨済宗一周忌から十七回忌まで行ったあと、二十五回忌、弔い上げの三十三回忌を行うが、二十五回忌を行わず二十三回忌と二十七回忌を行う場合もある。
浄土真宗一周忌から三十三回忌まで行い、三十三回忌を弔い上げとする。ただし、故人は亡くなってすぐに成仏する「往生即成仏」の考えがあるため「弔い上げ」の概念はない。
新道故人が亡くなってから1年目の翌年は仏式の一周忌にあたる一年祭を行い、そのあとは3年目に三年祭、5年目に五年祭、10年目に十年祭、50年目に五十年祭、100年目に百年祭と行う。仏式でいう「弔い上げ」は「まつりあげ」と呼ばれ、30年目の「三十年祭」か50年目の「五十年祭」として行われる。
無宗派故人が仏教をはじめ、特定の宗教や宗派に属していなかった場合は年忌法要そのものを行わない場合があるため、弔い上げの節目がない。

どのタイミングで弔い上げ(上げ法要)とするかは家や地域によっても異なりますので、親族間で相談しながら検討しましょう。

遺族の状況や意向などを汲みながら、寺院などとも相談して決めるとよいでしょう。

弔い上げはしないとダメ?
弔い上げを行わないこと自体は問題ありません。施主や遺族が無宗派であったり、親族の事情や意向などの理由があったりなど、弔い上げをしないケースもあります。とはいえ、故人への供養の区切りとなる大切な節目ですから、どのように対処すればいいかは親族や寺院などとも相談しながら決めるといいでしょう。

弔い上げ(上げ法要)では何をする?

ここでは、弔い上げ(上げ法要)の一般的な流れを見ていきましょう。

弔い上げ(上げ法要)の流れ
  1. 僧侶をお迎え
  2. 施主からの挨拶
  3. 僧侶の読経
  4. お焼香
  5. 僧侶からの説法
  6. お墓参り ※行う場合
  7. 施主からの挨拶
  8. お斎(おとき)※会食

弔い上げ(上げ法要)だからといって特別なことはなく、通常の法要と流れは変わりません。ただ、規模を大きくして豪華な内容にしたり、多くの参列者を招いて盛大に行ったりする場合があります。

どのような流れにするかについては、法要の日程などを決めながら親族間でよく話し合っておきましょう。

弔い上げ(上げ法要)の後はどうする?

弔い上げ(上げ法要)によって故人の魂はご先祖様の一員となりますから、一般的には故人にまつわる仏具や墓石を片付けます。

位牌の処分ご先祖様の位牌に魂を移してから処分する。※「お魂抜き(おしょうぬき)」
仏壇の処分仏壇の閉眼供養を行ってから処分する。
お墓じまい合祀墓などにまつって永代供養をする。

いずれも僧侶に依頼して行ってもらう儀式ですので、日程や費用などについて詳細を確認するようにしましょう。

弔い上げ(上げ法要)のお布施相場は?

弔い上げ(上げ法要)のお布施相場は3万円~5万円とされており、通常の年忌法要より多めに包まれる傾向があります。

弔い上げ(上げ法要)3万円~5万円

弔い上げ(上げ法要)に合わせて位牌や仏壇の処分、墓じまいなどもお願いする場合は費用が別にかかりますので、前もって寺院に確認するようにしましょう。

場合によっては、お布施以外にも御車代、御膳料などの費用が必要です。

お布施以外の費用内容相場
御車代僧侶に出向いてもらったときに渡す交通費5千円~1万円程度
御膳料僧侶が会食に出席しない場合に渡す食事代5千円~1万円程度

お寺や地域によっても差がありますので、お寺にたずねたり、親族間で相談したりして適切な金額を用意しましょう。

お布施の書き方や渡し方など、法要でのマナーについては詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

法事・法要で僧侶に渡すものは?お布施や引き出物などマナーまとめ

弔い上げ(上げ法要)に参列する服装は?

ここでは、弔い上げ(上げ法要)に参列するときの服装を男女別で紹介します。

本来、男女とも三回忌までは喪服で参列するのが古くからの慣わしですが、弔い上げ(上げ法要)のタイミングや規模、参列者層などによっては略喪服も選択肢になり得ますので親族間で服装が揃うよう相談しておきましょう。

準喪服ブラックフォーマルなどのセレモニースタイル
略喪服黒や紺、グレーなどのダークカラースタイル(いわゆる「平服」)

略喪服は「平服でお越しください」と案内されている場合でも着用できます。「平服」=「普段着」ではありませんので注意しましょう。

【男性】弔い上げ/上げ法要の服装

スーツ準喪服の場合はブラックスーツ、略喪服の場合はダークカラースーツ
シャツ白無地のレギュラーカラー ※ボタンダウンはNG
ネクタイ準喪服の場合は黒のみ、略喪服の場合は黒や紺、グレーなど ※光沢ありはNG
ベルト黒無地のシンプルなもの ※アニマル柄や派手なバックルはNG
靴・靴下靴は黒い革靴、靴下は黒無地 ※素足や肌が露出するのはNG
髪型清潔感のあるスタイル ※ツヤを出すヘアケアはNG

子供が参列する場合は、制服や落ち着いたデザインのフォーマルな服装を選びましょう。

【女性】弔い上げ/上げ法要の服装

スタイル準喪服の場合はスーツやアンサンブルなどのセレモニータイプ、略喪服の場合はダークカラーの同スタイル
バッグ黒の布製で小ぶりなもの ※飾り付きや光沢ありはNG
パンプス黒の革製か布製でシンプルなもの ※ヒールは5cm程度
ストッキング黒無地で30デニール以下の厚すぎず薄すぎないもの ※柄や網はNG
アクセサリーつける場合はパールの控えめなもの ※ヘアゴムや髪飾りは黒っぽいもの
メイク控えめな色使いでナチュラルに ※ツヤの出るパールやグロスはNG
髪型清潔感のあるスタイル ※ツヤを出すヘアケアはNG

子供が参列する場合は、、制服や落ち着いたデザインのフォーマルな服装を選びましょう。

弔い上げ(上げ法要)に必要な準備は?

ここでは、弔い上げ(上げ法要)を行うために必要な準備について紹介します。

準備の項目
  1. 日程
  2. 会場
  3. 会食
  4. 案内
  5. お供え物
  6. 引き出物
  7. 香典(参列者)

弔い上げ(上げ法要)の2か月前から準備を始め、参列者の都合や会場の予約状況などと調整しながら進めていきましょう。

日程

弔い上げ(上げ法要)は、故人の祥月命日に行うのが本来の慣わしですが、参列者の集まりやすさを考慮して多少ならば日にちをずらしてもかまいません。位牌や仏壇の処分、墓じまいも行う場合は、お寺にも相談して決めましょう。

法要日程の決め方
・命日に近い土日で調整する
・平日や年末年始を避ける
・お寺や僧侶の予定に合わせる
・会場の空き状況を確認しておく
・親族同士で話し合って決める

法要は「前倒し」を「よし」とする傾向にありますが、仏教では「後倒し」を禁じていないため数日程度の後倒しなら問題ありません。

尚、法事の日程については詳しく書かれた関連記事もありますので、よければ合わせてご参照ください。

法事をやってはいけない日は?日程の決め方や注意点など日取りの基礎まとめ

会場

弔い上げ(上げ法要)は、一般的にお寺、会館、自宅で行われます。それぞれの会場にメリット・デメリットがありますので、施主や参列者の都合を考慮しながら検討しましょう。

会場メリットデメリット
お寺・僧侶を手配しなくてよい。
・仏教の教えにもとづいて行ってもらえる。
・法要の場にふさわしい雰囲気で行える。
・遠方の場合は訪れるのに時間がかかる。
・お寺の都合に合わせた日程になりやすい。
・会場使用料が必要な場合がある。
会館・法要プランが用意されている。
・会食の手配をしなくてよい。
・必要な準備を任せられる。
・駐車場が完備されている。
・規模や内容によって予算が上がる可能性あり。
・会場に合わせた日程を選ばなければならない。
・お寺にあるような宗教色がない。
自宅・親族だけの都合で日程が決められる。
・故人を偲ぶのにふさわしい雰囲気で行える。
・お寺や会館よりも予算が抑えられる場合がある。
・僧侶の手配や必要な準備をしなければならない。
・お店の予約や食事の準備など会食の手配が必要。
・スペースが限られるため参列者も限定される。
・参列者のための駐車場が確保しづらい。

もし、いつも法要を任せている「菩提寺」があれば、日程以外にも法要に必要な準備について相談しておきましょう。

会食

弔い上げ(上げ法要)などの仏事では、法要後に「お斎(おとき)」と呼ばれる会食を設ける慣習があります。お斎は、参列者にとって故人を偲ぶための大切な場でもあるため、法要の一環として手配するようにしましょう。

お斎については、会食を「しない」場合のマナー含め詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

案内

弔い上げ(上げ法要)の詳細が決まったら、参列者に案内をします。ごく限られた家族だけで行う場合は、そのことを参列を予定していそうな親族に伝えておきましょう。

法要の案内は、同居家族や日頃から交流のある親族なら電話やメールでもかまいませんが、目上の親族や家族以外の参列者には書面で案内状を出すのがマナーです。

法要の案内状については詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

お供え物

弔い上げ(上げ法要)などの仏事では、「五供(ごくう)」と呼ばれるお供え物を用意するのが仏教の慣例です。ごく限られた家族だけで行う場合は、故人が好んでいたものや親族の気持ちを反映させたものなどを供えてもかまいません。

五供(ごくう)詳細
線香や焼香など香りの立つもの。
菊、ユリ、スプレーマムなど。※椿、バラ、ボタンは不向き。
灯明ろうそくの灯り。
浄水お水、お茶。
飲食ご飯、お菓子、果物など。

引き出物

弔い上げ(上げ法要)の施主は、参列者から受け取ったお供え物や参列してもらったことへのお礼として2千円~5千円程度の引き出物を用意しましょう。通常の法要よりも盛大に行うなら、やや高めに設定してかまいません。

引き出物を用意する場合、掛け紙は「熨斗(のし)」なし、水引は黒白か黄白の結び切り、表書きは「粗供養」「志」などとします。

尚、法要の引き出物については、詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

香典

弔い上げ(上げ法要)に参列する場合、参列者は原則として香典を持参しましょう。法要の案内を受けていながら参列できない場合も香典だけは送るのが法事におけるマナーです。

もし、案内状に「御香典辞退」と記載されていれば参列する場合でも不要ですが、お供え物や供花を贈るのはかまいません。ただし、「御厚志辞退」と記載されている場合は供花やお供え物も控えましょう。

関係金額相場
故人が自分の親1万円~5万円 ※会食なしの場合は1万円~3万円
故人が自分の兄弟姉妹1万円~3万円 ※会食なしの場合は5千円~1万円
故人が配偶者の親兄弟姉妹1万円~3万円 ※会食なしの場合は5千円~1万円

香典の金額は故人との故人との関係性会食の「ある」「なし」でも異なりますので相場を参考にしながら用意しましょう。ごく限られた家族だけで行う場合は「香典なし」にして法要の費用を分担するケースもありますから、よく親族間で話し合っておきましょう。

香典のマナーについては詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

まとめ

弔い上げ(上げ法要)は故人の魂を成仏させて極楽浄土へ送るために行う、最後の法要です。仏教においては「故人の魂は長い年月を経て浄化される」といった教えがあるため三十三回忌や五十回忌といった節目に行われるのが慣例ですが、親族の年齢や家族構成、生活環境などの事情から、近年では三回忌以降で早めに弔い上げが行われる傾向もあります。

弔い上げ(上げ法要)の流れは通常の法要と変わりませんが、位牌や仏壇の処分、墓じまいなども合わせて行う場合は、菩提寺などに事前に確認しておきましょう。お布施相場は3万円~5万円とされていますが、総仕上げのような意味があるため通常の年忌法要より多めに包まれる傾向があります。

本記事では、弔い上げ(上げ法要)にふさわしい服装や当日までの準備についても紹介しました。ぜひ、御弔いまとめとしての本記事を参考にしながら、故人にとっても親族にとっても特別な節目となる法要にお役立てください。

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