節分とは?子供に伝える豆まきの意味から昔ながらの食べ物までご紹介

節分は毎年2月に行われる風物詩のような伝統行事ですが、その意味や由来はどのようなものでしょうか

ご家庭だけでなく、保育園や幼稚園、お店などでも楽しまれることの多いイベントですから詳しく知りたいですよね。

本記事では、節分について時期や歴史、子供への伝え方、豆まきのやり方、ゆかりある食べ物について紹介します。

ぜひ、本記事を参考にしながら、一年に一回の節分イベントが盛り上がるよう話題や準備にお役立てください。

節分っていつ?

節分とは季節が変わる節目のことですから、本来は立春、立夏、立秋、立冬の年に四回あるものです。もともとは暦に合わせて農作業を行うための節目でした。

ではなぜ、立春前の2月3日だけを節分とするようになったのでしょうか。ひとつには農作業そのものが多くの人の生業でなくなったことも起因していますが、立春が旧暦でいうところの正月節にあたるためとされています。

ただ、毎年2月4日が立春というわけではありません。二十四節気は太陽と地球の位置関係で決まるため、節分の日が変わりこともあります。最近では2021年の立春が124年ぶりに2月2日となりました。

節分の由来と歴史

節分を象徴するのが「豆まき」です。豆まきの由来となったのは平安時代の貴族が桃の弓と葦の矢で疫病を払う「追儺(ついな)」という宮中行事。中国から日本へ伝わった「大儺(たいな)」という風習が起源です。

もともとは鬼祓い(邪気祓い)ではなく、災害除けや延命長寿が節分行事の目的でした。いつしか疫病祓いの「追儺(ついな)」と鬼祓いの豆まきが一体となり、江戸時代には庶民の間にも年中行事として定着したとされています。

「豆」知識
成田山新勝寺や増上寺といった有名寺でも節分の豆まきは毎年恒例ですが、仏教との直接的な関係はありません。仏教においての「鬼」は「煩悩」とされたため、一説には煩悩を払う意味で節分の豆まきが取り入れられたようです。

節分での豆まきの意味

節分の豆まきも中国から日本に伝わった風習です。豆は「魔滅(まめ)」の語呂合わせから無病息災の食べ物とされ、豆まきの豆を「炒る」のは「射る」という意味で鬼を封じ込めるためとされました。

もともと立春前日は旧暦の大晦日にあたる日のため、一年の厄や災難を祓って清める目的もありました。地域によっては「年取りの日」と呼ぶこともあり、この日に年の数だけ豆を食べるという風習が生まれたともされています。

節分を子供に伝えるには?

節分の意味や由来を子供に教えるときは、できるだけ簡単で親しみやすい伝え方にしましょう。お子様の年齢に合わせて表現を変えながら教えてあげてくださいね!

なぜ鬼を退治するの?季節の節目には、おうちや体の中に「悪いもの」が入ってきやすいんだよ。その「悪いもの」を昔の人は「鬼」として退治して、おうちや体を守ったの。
なぜ豆をまくの?豆には「鬼」などの「悪いもの」をやっつける力があって、さらに火で炒ることでパワーアップするから炒った豆を使うんだよ。
なぜ豆を年の数だけ食べるの?昔、節分は一つ年を取る日だったから、年の数だけ豆を食べて「また一年健康でいられますように」とお願いしたからだよ。

節分での豆まきのやり方

本来、鬼は丑寅の刻にやってくるため深夜2時~4時にまくのが正式ですが、夕食後の午後の8時~10時の間に開始してかまいません。もちろん別の時間帯でも問題ありませんので、イベントに合わせて調整しましょう。

~やり方~
玄関や窓、ベランダ、戸口などを開け放ちます。
豆をまくのは年男、年女、厄年の人、その家の主人など。
福豆を持ったら、一番奥の部屋から順番に回ります。
部屋の出入口あたりで「鬼は外、福は内」を2回ずつ繰り返しながら豆をまきます。
豆が入った桝は左手に胸の高さで持ち、豆は右手につかんで下手投げでまきます。
豆をまかれた部屋の窓や扉は、鬼が入ってこないようにすぐに閉めておきます。
最後に玄関で豆をまきます。
豆は数え年となる年齢の数+1個分を豆を食べます。
※正式なやり方として「鰯柊(いわしひいらぎ)」といって鬼が入ってくるのを防ぐため、イワシの頭を柊の枝に刺したものを玄関や門扉に飾っておきます。また、豆は前日までに炒っておき、枡に入れて神棚か目線の高い場所に白い紙を引いて備えておきます。
「豆」知識
「鬼は外」がタブーな例として、鬼を祀っている寺や神社、鬼が守り神の町や村、名字に「鬼」がつく家などは「鬼は内」や「鬼も内」といったり、「福はうち」のみにしたりなどする風習があります。

節分にちなんだ食べ物

節分には邪気祓いや厄落とし、無病息災祈願などの意味で食べられるものがあります。

ここでは、節分にちなんだ昔ながらの食べ物を紹介しますので、豆まきと一緒に楽しんでみてはどうでしょうか!

福茶

福茶は邪気祓いのほか、長寿や無病息災への祈願として節分に楽しまれる縁起物です。地域によって飲み方に違いはありますが、ご家庭では好みのアレンジで味わうのもおすすめ。

~作り方~
・湯呑みに福豆3粒、塩昆布、梅干し、山椒の粉を入れます。
・上から熱湯を注いだら完成です。
※お好みで緑茶や玄米茶、ほうじ茶を注いでも◎
※子供向けには梅昆布茶で代用したり、ぶぶあられや手まり麩で可愛くしたり。
※大人向けには大葉、生姜、七味、ミョウガ、わさびなどの薬味で味わい深く。

◆詳しいレシピは動画をご参照ください。

いわしの当座煮

関西を中心とした西日本においては、いわしを焼いてから、ひいらぎの枝に頭を刺したものを門扉や玄関先に飾る慣わしがあります。鬼がいわしのニオイを嫌ったり、ひいらぎの棘に刺されることを避けたりするため鬼を家に入れない鬼除けが目的です。

また、いわしを食べるのには体内に溜まった「陰の気を消す」という意味もあります。体調を崩しやすい季節の変わり目ですから、滋養たっぷりのいわしで体力もアップさせたいですね。

~作り方~
・いわしは頭を落としはらわたを取ってから水洗いします。
・いわしを鍋で霜降りにして、うろこや血合いを取り除きます。
・いわしを並べた鍋に番茶を注ぎ、落し蓋をして炊きます。
・いわしが炊けたら砂糖、みりん、梅干し、料理酒、針生姜を加えます。
・ふたたび落し蓋をして30~40分ほど煮込みます。
・鍋を傾けて汁をかけながらさらに煮込みます。
・いわしに照りがでてきたら完成。
・いわしを器に盛り付けます。
・煮汁をかけ、切りごまと山椒の葉をのせたら召し上がれ。

◆詳しいレシピは動画をご参照ください。

甘辛こんにゃく

こんにゃくは体を浄化する食べ物として邪気祓いの意味で節分などの節目に食べられている地域があります。また、別名「砂おろし」とも呼ばれ、体内に溜まった毒素を排出する働きがあることから体調を崩しやすい季節の変わり目の滋養としてもおすすめです。

いろいろな料理にアレンジしやすいのも魅力。大人向けには酒の魚や副菜として、子供向けにはお弁当のおかずとしても喜ばれる甘辛風味の一品を紹介しましょう。

~作り方~
・こんにゃくには味をしみこませるため両面に格子状の切り込みを入れます。
・こんにゃくを3cm角くらいの食べやすい大きさにカットします。
・こんにゃくを、お湯が沸騰した鍋に入れて2~3分ほど茹でます。
・こんにゃくをザルにあけて水気を切ります。
・こんにゃくは油なしのフライパンで乾煎りします。
・いったん火を止めたら、砂糖、しょうゆ、酒、みりん、だしの素、水を加えます。
・フライパンを中火にして、こんにゃくをひっくり返しながら煮汁がなくなるまで煮ます。
・煮汁がなくなってきたら、ごま油、お好みで七味唐辛子を加えます。
・火を止め、かつおぶしを散らします。
・お皿に盛り付けたら召し上がれ。

◆詳しいレシピは動画をご参照ください。

けんちん汁

けんちん汁の由来は鎌倉市にある建長寺のお坊さんが発案したことから「建長汁」が「けんちん汁」と呼ばれるようになったという説や、野菜や豆腐を湯葉などで巻いた中国の精進料理である「巻繊(けんちゃん)」が日本語になったという説があります。

けんちん汁は具だくさんで体も温まる食べ物ですから、寒い時期の節分にぴったり。懐かしの給食レシピなら、大人から子供まで楽しめる献立になりそうですね。

~作り方~
・木綿豆腐をキッチンペーパーで30分ほど水切りします。
・大根、にんじんをカットします。
・ごぼうはささがきにして水にさらします。
・こんにゃくをスプーンで一口大にちぎります。
・こんにゃくを塩もみしてから水洗いします。
・鍋に水をはり、こんにゃくを5分ほど茹でて水を切ります。
・ごま油をひいた鍋に大根、にんじん、ごぼうを入れます。
・水と顆粒だしを加え、よく混ぜたら蓋をして10分ほど煮ます。
・野菜に火が通っていたら豆腐をちぎって加えます。
・しょうゆ、みりん、塩で味をととのえます。
・ひと煮立ちさせたらお椀によそいます。
・小口ネギを散らしたら召し上がれ。

◆詳しいレシピは動画をご参照ください。

しもつかれ

しもつかれとは、栃木県を中心に埼玉県や千葉県の一部地域で食べられてきた郷土料理。厄除けや無病息災祈願の意味があり、節分の豆の残りを使って作るレシピも特徴です。

~作り方~
・鮭の頭を適当な大きさに切ってから焼き、熱湯で茹でておきます。
・鍋に水を入れて煮立ってきたら鮭と酒を入れて煮込んでいきます。
・下ごしらえしておいた大根、にんじん、大豆、油揚げを加えて煮込みます。
・酒粕を加え、よくかき混ぜながら弱火で煮込んでいきます。
・塩、しょうゆで味をととのえます。
・お椀によそって召し上がれ。

◆詳しいレシピはこちらをご参照ください。

恵方巻

恵方巻の発祥は江戸時代末期の関西とされ、商売繁盛や無病息災を願って食べられるようになりました。その年の「恵方」を向いて無言で丸かぶりするのが正式な食べ方。いろいろな具材の恵方巻が販売されますが、七福神にちなんで7種の具材が使われているものが人気です。

~作り方~
・ご飯を炊いて寿司飯を作ります。
・お好みの具材を寿司飯にのせ、簀巻きを使って海苔で巻きます。
※子供向けにはカニカマやツナマヨ、エビフライなどもおすすめ◎

◆詳しいレシピは動画をご参照ください。

節分そば

立春を節目とする節分は旧暦で正月節にあたるため、大晦日となる2月3日には年越しそばを食べる慣わしがありました。そばには邪気祓いや厄除け、健康長寿の意味があり、節分の食べ物としても親しまれてきたようです。

~作り方~
・そばを茹で、お好みのつゆでいただきます。
・具材も野菜や練り物、とろろ昆布、天ぷら、山かけなどお好みで◎

◆詳しいレシピはこちらをご参照ください。

まとめ

節分は二十四節気にもとづく季節の節目をさすため本来は立春、立夏、立秋、立冬の年に四回あるものです。いまでは旧暦でいう正月節にあたる立春を主に「節分」というようになり、その前日の大晦日にあたる2月3日頃に豆まきなどを行うようになりました。

節分という暦の考え方も節分に豆をまくという慣習も中国から伝わったもの。もともと災害除けや延命長寿を目的に行っていた節目の行事は、やがて疫病祓いの宮中行事である「追儺(ついな)」と鬼祓いの豆まきが一体となり庶民の間にも定着していったとされています。

本記事では、豆まきの意味や正式なやり方、子供への伝え方、節分にちなんだ食べ物についても紹介しました。ぜひ、本記事を参考にしながら、ご家庭や学校、お店などでの節分イベントを盛り上げてくださいね。

 

尚、関連記事として「七草の節句」や「七夕の節句」について詳しく書かれた関連もありますので、よければ合わせてご参照ください。

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