中秋の名月とは?十五夜との違いや意味から食べ物まで年中行事まとめ

秋の年中行事のひとつとして知られる「中秋の名月」ですが「十五夜」との違いや意味をご存知ですか?

「中秋の名月と十五夜は同じもの?」
「中秋の名月はいつ見られるもの?」
「中秋の名月の過ごし方や食べ物は?」

このように、中秋の名月や十五夜にまつわる素朴な疑問を本記事で解決しましょう。

◆この記事でわかること
  1. 中秋の名月と十五夜との違いや意味について
  2. 中秋の名月が見える時期や満月との違いについて
  3. 中秋の名月のお供え物や食べ物について

ぜひ、本記事を活用していただき、秋の夜のお月見を楽しく過ごせるよう、お役立てください。

中秋の名月とは?十五夜との「違い」は?

秋になると、中秋の名月と十五夜は同じように語られることがありますが、それぞれに別の意味があります。

  • ●十五夜は旧暦でいう毎月15日の夜のこと
  • ●中秋の名月は年に一回の旧暦8月15日のこと

それぞれの意味から違いを見ていきましょう。

十五夜は旧暦でいう毎月15日の夜のこと

十五夜とは、旧暦における毎月15日の夜のことをさします。月が太陽と同じ方向に位置する「新月」から15日目の夜ということで満月のように見えますが、「十五夜」が必ずしも「満月」というわけではありません。月の満ち欠けの周期との誤差が生じ、満月とは一致しない月があるためです。

中秋の名月は年に一回の旧暦8月15日のこと

十五夜が毎月訪れるのに対し、中秋の名月は年に一度きり。旧暦でいう8月15日の十五夜にあたります。旧暦では7月から9月が「秋」となり、「初秋」「中秋」「晩秋」と季節の移ろいを暦のように区切っていました。

初秋旧暦の7月(新暦/8月8日頃~9月7日頃)
中秋旧暦の8月(新暦/9月8日頃~10月7日頃)
晩秋旧暦の9月(新暦/10月8日頃~11月6日頃)

旧暦における8月15日は「中秋」であったため、この十五夜(毎月15日の夜)の月が中秋の名月と呼ばれているのです。

中秋の名月であっても、月の満ち欠けの周期との誤差によって完全な満月でないことはあります。ただ、この時期は空気が乾いていて月がくっきりと夜空に映え、高すぎず低すぎない高さで見られることから一年で最も美しい月とされています。

中秋の名月は「いつ」見られるの?

中秋の名月は月の満ち欠けの周期から計算されますので、その年によって日付が異なります。

2025年10月6日(月)
2026年9月25日(金)
2027年9月15日(水)
2028年10月3日(火)
2029年9月22日(土)
2030年9月12日(木)

こちらは2025年~2030年までの中秋の名月を一覧にしたものですが、晴れていれば、たとえ満月でなくても秋特有の美しい月が見られることでしょう。

中秋の名月に「お月見」をする由来

中秋の名月といえば「お月見」が思い浮かぶのではないでしょうか。もともと、お月見は平安時代に中国から伝わった貴族文化でしたが、江戸時代になると秋の収穫を祝う庶民の年中行事となりました。

その年の豊作に感謝をささげ、また次の年も豊作となるよう祈願するため、お供え物をして月を眺めながら過ごすようになったのが中秋の名月における「お月見」の由来です。

また、昔は月の明かりをたよりに過ごしたり、月の状態で天候や時間経過をはかったりして暮らしていたことから、月そのものに感謝する意味もありました。

Q. 子どもに意味をわかりやすく伝えるには?

お月見は子どもたちにとっても楽しめる行事ですから、子ども向けの伝え方も紹介しましょう。

 

お月さまに「暗い夜を明るく照らしてくれてありがとう」とお礼をするんだよ。
お月さまに、お米や野菜がたくさん育ったことをみんなで感謝をするんだよ。
お月さまのところでウサギさんがお餅をついてくれるからお礼をするんだよ。

このように子どもに伝える場合でも、「感謝」や「豊作」といったことをテーマにして話すことがポイントです。

中秋の名月では「何」をするの?

中秋の名月には、お供え物をして豊作への感謝がささげられました。まだ主食が米ではなく芋だった昔は、芋類の収穫を祝って芋が供えられていたことから中秋の名月には「芋名月(いもめいげつ)」という別名もあります。

ほかにも、中秋の名月ならではのお供え物がありますので、それぞれの意味とともに紹介しましょう。

お供え物意味
月見団子満月に見立てた団子から生命力をさずかり健康や多幸を願う。
ススキ災いや邪気を祓う。※ハギ(萩)やキキョウ(桔梗)など秋の七草と一緒に飾ることも。
ぶどう蔓(つる)のある植物が月との「つながり」を強くする。
旬の農作物柿や梨、栗、大根、枝豆、サツマイモなどで豊作に感謝をする。
月餅(げっぺい)家族の団らんを象徴する焼き菓子を切り分けて食べながら家族の幸福を祈る。

農作物の収穫に携わらずとも、美しい月のもとで季節の移ろいや日々の暮らしに感謝をするのが、現代の中秋の名月ならではの過ごし方といえるでしょう。

中秋の名月にちなんだ食べ物&作り方レシピ

ここでは、中秋の名月にちなんだ食べ物と作り方を紹介しますので、ぜひ、お子様と手作りしたり、家族で団らんしたり、秋の年中行事をおいしくお楽しみください。

月見団子

お月見といえば月見団子。月が丸く満ちていく様子をモチーフにしています。古来、中秋の名月では収穫祝いや豊作祈願のほか、家族の健康や幸福、ものごとの結実を祈るためのお供え物とされてきました。

~作り方~
  1. だんご粉と砂糖をボウルで混ぜ合わせます。
  2. 水を少しずつ加えながら練っていきます。
  3. だんご生地ができたら棒状にしてカットしていきます。
  4. だんごに「くぼみ」をつけながら丸めて熱湯で茹でていきます。
  5. だんごが茹で上がったら冷水で冷やします。
  6. だんごをバットに並べて表面が乾いたら皿に盛ります。
  7. お好みで、きな粉や黒みつをかけて召し上がれ。

※もし十五夜にちなんで15個を積む場合は1段目に9個(3×3)、2段目に4個(2×2)、3段目に2個を積みます。お月見は神事ですから、3段目の2個は正面からみて縦に2個並べるようにしましょう。

■詳しいレシピは動画をご参照ください。

関西風の月見団子

関西風の月見団子は、「芋名月」にちなんで芋をモチーフにしています。お米ではなく芋が主食だった頃からの風習が由来で、あんこで包むのは月にかかった雲に見立てる意味もあるからです。

~作り方~
  1. 上新粉、砂糖、片栗粉をボウルに入れます。
  2. ぬるま湯を少しずつ加えながら生地をこねていきます。
  3. だんご生地を10等分にして楕円形に丸めていきます。
  4. だんごを熱湯で茹でてから冷水で冷まします。
  5. だんごをバットに並べて表面が乾いたら、あんこで包みます。
  6. お皿に盛り付けたら出来上がり。

■詳しいレシピは動画をご参照ください。

うさぎスイーツ

うさぎと月も中秋の名月を彩る象徴的なモチーフです。いろいろなエピソードがありますが、五穀豊穣を叶えてくれる月神の使いともされています。うさぎに見立てたかわいいスイーツなら、お子様にも喜ばれそうですね。

~作り方~
  1. 上新粉と上白糖をボウルで混ぜ合わせます。
  2. 水を少しずつ加えながら練っていきます。
  3. 電子レンジでだんご生地を加熱します。
  4. だんご生地の粗熱が取れたら丸めていきます。
  5. あぶった串で「耳」の部分に焦げ目をつけます。
  6. 食用色素で「目」の部分を色づけします。
  7. お皿に盛り付けてから召し上がれ。

■詳しいレシピは動画をご参照ください。

お月見スイートポテト

お月見団子の代わりにサツマイモを使って丸いスイートポテトを作ってはいかが。秋の味覚のサツマイモは中秋の名月のお供え物としてもぴったり。サツマイモの黄色も満月に見立てられますよ。

~作り方~
  1. サツマイモの皮をむきカットします。
  2. サツマイモを水にさらしてザルで水を切ります
  3. サツマイモを電子レンジで加熱します。
  4. サツマイモ、砂糖、バター、バニラオイル、卵白をフードプロセッサーにかけます。
  5. スイートポテト生地ができたら丸めていきます。
  6. スイートポテト生地に卵黄を塗り、黒ゴマを散らします。
  7. オーブンかトースターで焼き目がつくまで焼きます。
  8. お皿に盛り付けたら召し上がれ。

■詳しいレシピは動画をご参照ください。

月餅(げっぺい)

月餅(げっぺい)は、中国における中秋節に食べられてきた伝統的な焼き菓子。家族の「和」をイメージした丸いフォルムが特徴です。家族円満への願いをこめて、お菓子を切り分けて食べるのが本来の慣わしでした。

~作り方~
  1. ボウルにシロップと油を入れて泡だて器で白濁するまで泡立てます。
  2. 小麦粉を加え、ゴムベラで粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせます。
  3. 生地がまとまったらラップに包んで冷蔵後で1時間程ねかせます。
  4. お好みのナッツをフライパンで乾煎りします。※黒豆やサツマイモ、栗などで代用可
  5. ナッツを適当な大きさにカットします。
  6. ボウルに粒あん、太白ごま油、塩、ナッツなどを入れて混ぜ合わせます。
  7. 生地を丸めてから薄く伸ばしていきます。
  8. あんを生地で包み成形していきます。※タルト型やクッキー型などを使ってもOK
  9. オーブンでこんがり焼き上げたら出来上がり。

■詳しいレシピは動画をご参照ください。

まとめ

中秋の名月は年に一回の旧暦8月15日のことで、十五夜は旧暦でいう毎月15日の夜のことですが、どちらも秋を象徴するお月見の日として知られています。いずれも月の満ち欠けの周期によって満月でないこともありますが、中秋は一年で最も美しい月が見られることから「中秋の名月」とされました。

お月見が日本に伝わったのは平安時代ですが、当時は貴族だけが楽しむ文化でした。江戸時代になると豊作を祝う収穫祭として庶民の間にも定着。いまでは、美しい月を眺めながら食事したり、お酒を飲んだりして季節の移ろいを味わう秋の風物詩となっています。

本記事では、中秋の名月ならではのお供え物や食べ物についても紹介しました。ぜひ、本記事を参考にしながら、ご家族やご友人などとともに情緒あふれる秋の夜をお楽しみください。

尚、秋の年中行事である「重陽の節句」についても詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

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