結納なしで「顔合わせだけ」を行うときでも、やはり結納金は必要なのでしょうか?
結納を行わないカップルが増えているとはいえ、お金のマナーは気になるものです。
そこで本記事では、顔合わせを予定しているカップルの疑問を解決するため以下の内容をご紹介。
- ●結納なしで「顔合わせだけ」をする割合
- ●顔合わせだけの「結納金なし」はありなのか
- ●結納金の代わりとなる「支度金」や「婚約記念品」について
- ●顔合わせだけで結納金を「なし」にする理由
- ●顔合わせで「結納金なし」にするときの注意点
ぜひ、本記事を参考にしながら、おふたりにとって、また両家にとって、ふさわしい形での顔合わせをご準備ください。
結納なしで「顔合わせだけ」をする割合
「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」によると、顔合わせだけを行ったカップルは全体の85.6%と大多数であることが一目瞭然。その理由のひとつには実家が遠方であったり、カップル同士の居住地が遠距離であったりなど「距離」の問題があります。
また、「堅苦しい雰囲気は苦手」「伝統的な形式は緊張する」などの理由から結納を行わないカップルが増えているのも現状。格式にこだわらないスタイルで、両家揃って食事や歓談を楽しみながら親睦を深める形の「顔合わせ」が主流になっています。
顔合わせだけの「結納金なし」はあり?
さらに「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」で「結納金・結納品の有無」についての調査結果を見ると、「結納金なし」というカップルは少数派であることがわかります。こちらのデータでは「顔合わせだけを行ったカップル」のうちで「結納金なし」だった割合までは不明です。
ただ、顔合わせだけを行ったカップルが「85.6%」であるのに対し、結納品のみあった「2.4%」+どちらもなかった「4.6%」=結納金なしのカップルは「7.0%」ということで、顔合わせは行ったが結納金「なし」であったカップルが非常に少ない状況がわかります。
結納金の代わりとなる「支度金」や「婚約記念品」とは
やはり顔合わせだけを行う場合でも、いくらか結納金は準備するべきなのでしょうか。
- ●結納金の代わりになる結婚準備金が「支度金」
- ●結納金や支度金の代わりに贈られる「婚約記念品」
ここからは、結納なしで顔合わせだけを予定している場合の準備について解説していきます。
結納金の代わりになる結婚準備金が「支度金」
結納金は新郎側から新婦側に贈られる結婚準備金。結納を行わない場合は「支度金」として結婚準備金が贈られることがあります。つまり、名称が変わるだけで意味合いは同じです。
ちなみに、「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」によると結納金の全国平均額は95.2万円。顔合わせだけを行う場合でも結納金と同額程度の支度金が贈られるケースはありますが、新郎家の考え方や経済状況、地域の慣わしなどによって金額に幅があります。
また、結納金の場合は「半返し」といって、受け取った額の半額程度を新婦側が金品で「新郎」にお返しするのが通例。結納なしで顔合わせだけを行う場合には、新郎側が半返しを受け取らない前提で少なめの金額にして支度金を贈るケースもあります。
もし、顔合わせで結納金の代わりに支度金を渡すのであれば、当日になって新婦側を困惑させないよう、お返しのことも含めて事前に新婦側に意向を伝えておきましょう。半返し「あり」ということにする場合は、新婦側も顔合わせまでに用意しておく必要があります。
・渡すのは「新郎側の父」から「新婦側の父」にというのが一般的。
・渡すタイミングは家族紹介の後やお開き直前など雰囲気を見ながら。
・渡すときは「結婚準備金として支度金をお贈りします。どうぞお納めください」などと添える。
結納金や支度金の代わりに贈られる「婚約記念品」
結納のような堅苦しい慣習にとらわれず、結納金も結納品も「なし」で顔合わせだけを行いたいと望むカップルの場合、婚約記念品だけを交換するケースもあります。
新郎側から新婦側へ贈られるのは「婚約指輪」が一般的。ほかにも、ネックレスやイヤリング、ピアス、腕時計といったファッションアイテムが贈られることもあります。
顔合わせだけで結納金を「なし」にする理由
顔合わせだけ行って結納金(支度金)を「なし」にすること自体は失礼なことではありません。カップルの価値観や結婚のカタチは時代の変化とともに多様になっているので、「お金」に関するテーマもカップルごとに違って当然です。
では、どのような理由があって結納金(支度金)を「なし」にするのか、ここでは、いくつかの事例を確認しておきましょう。
お金のやり取りは堅苦しいので記念品だけにしたい
お金をやり取りする場合、金額で悩んだり、半返しの気遣いをしたりするのが「堅苦しい」とするカップル。お互いに記念品を贈り合って婚約の証としているケースです。
ふたりの新生活や旅行などにお金をかけたい
新郎側から新婦側に一方的に結婚準備金を渡すのではなく、ふたりで使えることで一緒に楽しみたいというカップル。新生活を始めるための費用や新婚旅行などにお金をかける場合は、ふたりで「選べる」という体験もできます。
ふたりの貯金は少ないが親にも負担をかけたくない
たとえば「ジミ婚」や「ナシ婚」など、お金をかけずに結婚したいカップルも少なくありません。ふたりの経済的な理由から最低限の費用だけをかけ、親からの援助も受けずに身の丈にあったカタチで結婚準備を運ぶケースです。
結納返しや嫁入り道具を準備するのが面倒だから
結納金(支度金)を受け取る場合は「半返し」をするのが古くからの慣わし。また、受け取った結婚準備金は婚礼家具や婚礼布団、冠婚葬祭用の着物といった「嫁入り道具」に使うのが従来のマナーでした。現在では、このような慣習そのものを「面倒」だと感じている新婦も少なくありません。
地域によって違う作法をすり合わせるのが大変だから
結納の形式に地域性があるように、結納金の額や結納返しの作法などにも地域差があります。新郎新婦の地元が異なるケースでは地域ごとの違いをすり合わせるのが大変なため、結納金を「なし」にしてフラットな状態で顔合わせだけをしたいという考えもあるようです。
結納金の意味や慣わしが古くさく感じるから
新郎側から新婦側に結納金が渡されるのは、「嫁入り」を前提にした考えから。いまの時代は夫婦で新しい家庭を築くスタイルが定着しているため「結婚」を「嫁入り」とする価値観は薄れています。カップルの中には「結納」や「結納金」といった慣わしに時代錯誤感をおぼえるケースもあるようです。
顔合わせで「結納金なし」にするときの注意点
顔合わせで「結納金(支度金)なし」にするときは、相手に失礼のないようマナーに注意しましょう。
- ●新婦側の申し出なく結納金を「なし」にしてはいけない
- ●新婦側は顔合わせの場で受け取り「拒否」してはいけない
- ●ふたりの考えと両家の意向に「折り合い」をつける
それぞれの注意点について解説します。
新婦側の申し出なく結納金を「なし」にしてはいけない
本来、結納金を受け取るのは新婦側ですので、「なし」にできるのは新婦側から辞退の申し出があった場合のみ。新郎側から結納金を「なし」にしようと提案するのはNGマナーです。なにか経済的な事情がある場合は、まず新郎側の家族で話し合うようにしましょう。
新婦側は顔合わせの場で受け取り「拒否」してはいけない
顔合わせの場で結納金を渡されたとき、どのような理由があっても受け取りを「拒否」するのはNGマナーです。新郎側は結婚の準備金として結納金を用意しているわけですから、それを拒むとなると結婚そのものを快く思ってないと伝わりかねません。
なにか事情があって受け取りたくない場合は、辞退することと理由を事前に伝えておくようにしましょう。
ふたりの考えと両家の意向に「折り合い」をつける
ふたりの間で結納金は「なし」でかまわないと合意できていても勝手に決定するのはNGマナー。それぞれの家ごとに話し合い、両家の意向もくみながら折り合いをつけることが大切です。場合によっては家族からの協力が得られたり、考えつかなかった名案がひらめいたりするかもしれません。
まとめ
近年、さまざまな理由から「結納」を行わないカップルが増え、「顔合わせ食事会」という形で両家の縁を結ぶスタイルが主流になっています。顔合わせだけを行う場合は「結納金なし」でいいのか気になるところですが、「支度金」として結婚準備金が贈られることが一般的です。
名称が違うだけで「結納金」も「支度金」も意味合いは同じですから、顔合わせ食事会で「結納金」として渡されることもあります。また、お金ではなく婚約記念品だけを交換するケースもあり、カップルによって分かれるところなので「こうでなければいけない」といったルールはありません。
顔合わせだけで結納金を「なし」にする理由には経済的なものから心理的なものまであります。カップルの価値観や結婚のカタチが多様になっているいま、結納そのものが行われなくなってきていますから結納金や支度金といった「結婚準備金」の必要性も様変わりしているのが現状です。
顔合わせの場で結納金(支度金)を渡さないこと自体は問題ありませんが、新婦側の申し出もないのに「なし」にするのはNGマナー。新婦側が受け取り「拒否」するのも厳禁です。いずれにしても、ふたりの考えと両家の意向に「折り合い」がつけられるよう話し合いながら決めるようにしましょう。
尚、両家顔合わせについて、食事会以外の方法などが詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。