お宮参りが近づくと、お祝いや初穂料など「お金」のことが気になりますよね。
ほかにも「お金」にまつわる以下のような疑問はありませんか?
「そもそも初穂料ってなに?」
「お祝い金と初穂料の違いは?」
「初穂料って誰が払うの?」
「初穂料・お祝い金の相場は?」
お金に関するテーマは失礼のないようにとマナーにも気を遣うのではないでしょうか。
本記事では、お宮参りで用意るす初穂料・お祝い金について以下の内容で解説します。
- 初穂料・お祝い金の違い
- 初穂料を払う「人」
- 初穂料・お祝い金の目安となる相場
- 初穂料・お祝い金を包む「のし袋」の書き方
ほかにも、お札の入れ方、初穂料の渡し方を加え、わかりやすくイラストや動画を使って紹介します。
もし、初めてのお宮参りでも失敗しないよう、ぜひ、当日までの準備に役立ててくださいね。
初穂料とは?お祝い金との違いは?
お宮参りでは初穂料が必要な場合がありますが『お祝い金のこと?』と混同されるケースもあるため詳しく見ていきましょう。
- 初穂料は神社で祈祷を受けるときのお礼
- お祝い金はお宮参りの赤ちゃんに贈るもの
それぞれ解説します。
初穂料は神社で祈祷を受けるときのお礼
お宮参りは神社での参拝を指しますが、祈祷を受ける場合はお礼として初穂料を納めます。
「初穂」とは、その年に収穫された最初のお米のことで、古来、神様に収穫や豊作を感謝するため献上されていました。
お宮参りのほかにも七五三や秋祭り、収穫祭などの場で初穂の代用として現金を献納するときに「初穂料」として差し出されます。
お祝い金はお宮参りの赤ちゃんに贈るもの
お祝い金は神社ではなく、お宮参りの赤ちゃんに贈るもので祖父母や親族などから赤ちゃんの両親に渡されます。
地域によっては「紐銭(ひもせん)」とも呼ばれ、お宮参りの際は『赤ちゃんが生涯お金に困りませんように』との願いを込めて赤ちゃんの着物に結び付けられる場合もありますので、家族で相談しておくようにしましょう。
お宮参りの初穂料は誰が払う?
お宮参りの初穂料を「誰が」払うかに決まりはないため、ご夫婦、ご家族で話し合って決めましょう。
- 古くからの慣わしでは父親側の祖父母
- 現在は赤ちゃんの両親が払うのが一般的
それぞれ解説します。
古くからの慣わしでは父親側の祖父母
お宮参りの慣わしとして、赤ちゃんと父親と父親側の祖父母で参拝することが古くから引き継がれてきたため、初穂料は父親側の祖父母が用意していました。
しかし、現在は慣習にとらわれず赤ちゃんの母親や母親側の祖父母も参列するケースが増えているため、両家の祖父母が折半したり、両家で初穂料と食事代を分けて負担したりなど、それぞれの家族に合わせた形になっています。
現在は赤ちゃんの両親が払うのが一般的
お宮参りは赤ちゃんと赤ちゃんの両親が揃って行うのが現在のスタイルであるため、一般的には赤ちゃんの両親が初穂料を払います。
たとえば片側あるいは両家の祖父母が参列する場合、赤ちゃんの着物代や参拝後の食事代などを分けて出すケースもありますので事前に相談しておくとよいでしょう。
もちろん祖父母が初穂料も準備してくれるということなら遠慮は無用で、その場合は赤ちゃんの両親で食事代を出したり、祖父母へのお土産を用意したりなどケースバイケースでかまいません。
お宮参りの初穂料・お祝い金の相場
お宮参りの初穂料・お祝い金は相場を目安に準備しましょう。
- 初穂料の相場は5,000円~10,000円
- お祝い金の相場は5,000円~10,000円
それぞれ解説します。
初穂料の相場は5,000円~10,000円
初穂料の相場は5,000円~10,000円ですが神社によって差がありますので、参拝予定の神社に確認するのが無難です。
もし、神社から『お気持ちで結構です』といわれたら、5,000円を相場とするのが一般的。
赤ちゃんが双子の場合でも家族単位で考え初穂料は1口(ひとくち)でかまいませんが、気になるようでしたら神社に問い合わせましょう。
お祝い金の相場は5,000円~10,000円
お祝い金の相場は5,000円~10,000円ですが、もし、初穂料や着物代、食事代、写真撮影費用などを負担するのであればお祝い金を別で用意する必要はありません。
注意したいポイントは赤ちゃんの父親側もしくは母親側の片方だけに負担が偏ることですので、全体の費用や分担について話し合っておくと準備もスムーズです。
もし、赤ちゃんの両親の兄弟や姉妹、友人という立場であればお祝い金を贈る必要はありません。どうしても『お祝いしたい』という場合は現金ではなく、なにかギフトを贈る方が気遣いさせず喜ばれるでしょう。
お宮参りの「のし袋」の書き方・お札の入れ方
のし袋は「ご祝儀袋」とも呼ばれ、お祝いごとでお金を包むときに使用されます。
◆用意する「のし袋」
蝶結びの水引が印刷もしくは飾られているもの。
蝶結びの水引は「何度でも結び直せる」ことから「何度あっても喜ばしい」とされる慶事に使用されます。
のし袋は包む金額によってタイプが違うため注意しましょう。
- 10,000円未満……水引が印刷された封筒タイプ
- 10,000円以上……水引の飾りがあるご祝儀袋
結びの端は上を向いた「結び切り」は「これ一度きり」の意味になるため結婚式用ですので注意しましょう。
◆用意する筆ペン、毛筆
濃い黒のみで、薄墨、鉛筆、ボールペンは不可。
薄墨は弔事用なので使用せず、鉛筆やボールペンは好ましくないため避けましょう。
初穂料の表書き
初穂料を包むときの表書きは「初穂料」「御初穂料」のいずれかを水引の上に書きます。
表書きの下に書く名前はお宮参りする「赤ちゃんの名前(フルネーム)」です。
もし、赤ちゃんが双子の場合は連名でかまいません。
お祝い金の表書き
お宮参りする赤ちゃんへのお祝い金は表書きを「祝初宮参」「祝御宮参」のいずれかにします。
表書きの下に書くのはお祝い金を包んだ「贈り主の名前(フルネーム)」です。
中袋の表に金額、裏に住所と名前
ご祝儀袋には、お金を入れる中袋が別に付いていますから、表に旧字体で金額を、裏に住所と「赤ちゃんの名前(フルネーム)」を書きましょう。
◆旧字体の金額例
- 10,000円……金 壱萬圓
- 20,000円……金 弐萬圓
- 30,000円……金 参萬圓
封筒タイプは表に名前、裏に金額と住所
中袋のない封筒タイプには、表に赤ちゃんの名前(フルネーム)を、裏に金額と住所を書きます。
封筒タイプであっても金額は旧字体で書きましょう。
◆金額の記入例
- 5,000円……金 伍仟圓
- 3,000円……金 参仟圓
中袋の表に合わせて「新札」を入れる
お祝いごとのお金は「新札」を入れるのがマナーです。
新札とは未使用のお札のことで、シワはなくても使用されている「ピン札」と別物ですから気をつけましょう。
お札に描かれた人物は表に向け、さらに上にして中袋の表と合わせます。
のし袋の表に合わせて「新札」を入れる
のし袋は10,000円未満を包むときに使いますが、未使用の「新札」を入れるのはご祝儀袋と同じ。
シワのない「ピン札」が財布に入っていてもマナーとしては使用しないようにしましょう。
お札の人物を表に向け、さらに上にしてのし袋の表と合わせます。
お宮参りでの初穂料の好ましい渡し方
初穂料をスマートに渡せるよう、「いつ・どこで・どのように」渡せばいいのかマナーに沿った好ましい渡し方も確認しておきましょう。
- ご祈祷を申し込むタイミングで渡す
- 神社の中にある「社務所」で渡す
- 必ず袱紗(ふくさ)に包んで渡す
それぞれ解説しますので、ご参考ください。
ご祈祷を申し込むタイミングで渡す
初穂料は、赤ちゃんへのご祈祷を申し込むタイミングで渡します。
お宮参り当日に渡すのが一般的ですが、もしオンライン予約に対応している場合はオンライン決済で受け付けているかもしれません。
初詣や七五三などと重なる時期は申し込みが混み合う可能性もあるため、ゆとりをもってお参りしましょう。
神社の中にある「社務所」で渡す
神社には「社務所」という受付のような場所がありますから、ご祈祷の申し込みをしましょう。
初詣や七五三の時期は社務所が混み合うことから専用窓口へ案内されるかもしれませんので、指定された場所で渡します。
必ず袱紗(ふくさ)に包んで渡す
のし袋もご祝儀袋も必ず袱紗(ふくさ)に包んで渡しましょう。
袱紗には伝統的な布タイプと簡略化された袋タイプがあります。
布タイプの包み方
袱紗の包み方
- ひし形にした袱紗の上にのし袋(ご祝儀袋)置きます。
- 爪のある方を右側にして左から折ります。
- 次に上⇒下の順で布を折って重ねます。
- 最後に爪のある右側を折って包みます。
- はみ出した部分を内側へ折って完成です。
●ポイント
- お宮参りではおめでたい暖色系の袱紗を選びましょう。
社務所、受付での渡し方
- 左手に袱紗ごと置きます。
- 右手で袱紗を開きます。
- 袱紗の上にのし袋(ご祝儀袋)を置きます。
- 時計回りで受付の人に正面を向けます。
- 袱紗を置いて両手で渡します。
●ポイント
- 渡すときは「お願いします」と添えましょう。
袋タイプの包み方
- 袱紗を右から広げ、表を合わせてのし袋(ご祝儀袋)を差し込みます。
- のし袋(ご祝儀袋)の表は袱紗の開きがある表に合わせます。
社務所、受付での渡し方
- 袱紗を表に向けて相手の前で開けます。
- ご祝儀袋を袱紗から取り出します。
- ご祝儀袋を閉じた袱紗の上に置きます。
- 時計回りで相手に正面を向け差し出します。
- 相手が受け取ったら袱紗を戻します。
●ポイント
- 渡すときは「お願いします」と添えましょう。
お宮参りの初穂料は相場やマナーを目安に
お宮参りで初穂料が必要なのは「祈祷を受けるとき」です。
初穂料を払うのは赤ちゃんの両親が一般的ですが、全体の費用を分担して祖父母に甘えるケースもあります。
お祝い金は赤ちゃんへのお祝いとして贈るものですが、初穂料や着物代などを負担する場合は用意しなくてかまいません。
初穂料は相場の5,000円~10,000円に合わせてのし袋(ご祝儀袋)に入れ、袱紗に包んで丁寧に渡しましょう。
お札は新札を使い、正しく表書きし、金額に応じたのし袋を選び、お宮参りにふさわしいマナーで準備してくださいね。