ビジネス会食の辞退メール例文&丁寧な断り方のポイント

ビジネス会食をメールで辞退するとき、相手に失礼のない書き方が気になるもの。

どのような理由であれ、会食を辞退して相手を不快にさせないか悩みますよね。

そこで本記事では、お断りメールのポイントやメールでの丁寧な断り方について解説。

ビジネス会食を辞退するときに気をつけたい注意点もまとめていますので、ぜひ、ご参照ください。

ビジネス会食を辞退するとき「丁寧」に断るべき理由

ビジネス会食を辞退するとき、なぜ相手に対して「丁寧」に断る必要があるのでしょうか。

  1. 相手との関係を今後も良好な状態で維持していきたい
  2. 相手との関係性が次のチャンスにつながることもある
  3. 辞退によって相手に関心がないと誤解されないように

お互いに意見交換したり、有益な情報を共有し合ったりなどするのがビジネス会食の目的。

たとえ辞退するとしても単に欠席の返事をするのではなく、ビジネスにおける将来性も考えながら友好的な形でお断りの旨を伝えるのがビジネスコミュニケーションとしてのマナーです。

ビジネス会食のお誘いに辞退メールを送るときのポイント

ここでは、ビジネス会食への辞退メールを送るときのポイントを確認していきましょう。

  • ○メールの「趣旨」をわかりやすく
  • ○辞退となった「理由」を添える
  • ○クッション的な「言葉」を用いる
  • ○相手に対する「気遣い」を忘れない
  • ○次につながる「表現」で補足する
  • ○可能なら「代替案」を提案する

それぞれのポイントについて解説します。

メールの「趣旨」をわかりやすく

辞退の後ろめたさから、やんわりとした表現にばかりこだわったり、言い訳のようにダラダラと長い文章でまとめたりするのは避けましょう。相手に時間や気遣いといった無駄な負担をかけないためにも、お断りの趣旨が伝わるようわかりやすい内容でまとめるのが大切です。

× 悪い例「できましたら出席の方向で検討いたします。」
○ 良い例「その日は先約があり出席致しかねますこと、お許しください。」

辞退となった「理由」を添える

ただ辞退するだけでは相手にいらぬ心配をさせかねませんので、なぜ辞退となったのか理由も添えておきましょう。ただし、長々と語るのは逆にメールを読む相手の負担となるため、あくまでも簡潔に伝わりやすい言葉で表現するのがポイントです。

クッション的な「言葉」を用いる

相手への伝わりやすさは重要ですが、率直すぎると相手を傷つけたり不快にさせたりします。お断りメールではクッション的な言葉を用いて、辞退の趣旨を明確に伝えながらも角が立たないよう配慮しましょう。

× 悪い例「ご会食の日は先約があるため辞退いたします」
○ 良い例「せっかくのお招きにもかかわらず、先約がありますこと、お詫び致します。」

相手に対する「気遣い」を忘れない

お誘いを断るときは断られる側の立場に立って気遣いを見せることもビジネスマナーの基本。会食に向けた調整や準備をしてくれたであろう相手に対して申し訳ない気持ちを簡潔かつ柔らかい表現で伝えましょう。

次につながる「表現」で補足する

会食を辞退したからといって相手との関係が終わるわけではありません。お断りメールであっても次につながる表現で申し訳ない気持ちを補足し、関係性の継続に触れておきましょう。

可能なら「代替案」を提案する

たとえば自分だけが接待の対象者であったり、相手との一対一の食事会であったりなど、代替案を提案することが可能なケースもあります。会食に誘われたときは、ただ「日時」だけで判断せず、内容や参加人数、参加者などから代替が可能かどうかも判断しながら相手に相談しましょう。

ビジネス会食をメールで辞退するときの丁寧な断り方

ここでは、ビジネス会食をメールで辞退するときの丁寧な断り方として「基本構成」や「ふさわしいフレーズ」をもとに解説していきます。

お断りメールを書くときの基本構成

お断りメールの趣旨をわかりやすくするため、まずは基本構成を確認しておきましょう。

  1. 件名
  2. 宛名
  3. 挨拶
  4. お誘いへのお礼
  5. 辞退へのお詫び
  6. お誘いを断る理由
  7. 代替案
  8. 今後のこと
  9. 気遣いの一言
  10. 署名

それぞれの項目についてのポイントも見ていきましょう。

件名

数多くのメールから相手に見過ごされないよう、「隅付き括弧(すみつきかっこ) 」で囲むなどして件名はシンプルかつ目立つようにしましょう。

◎ 例【お食事会の件】○○株式会社 ○○○○

宛名

宛名は相手を「社外」「社内」とで分けて表記しましょう。

社外の場合○○株式会社 営業部 部長 山田太郎 様 ※会社名→部署名→役職名→氏名→敬称(様)
社内の場合○○部長、○○課長、○○さん

挨拶

冒頭での挨拶文は相手が「社外」「社内」とで異なるため注意しましょう。

社外の場合「いつも大変お世話になっております。」「平素より大変お世話になっております。」など
社内の場合「お疲れ様です。」「食事会についてのご連絡ありがとうございます。」など

お誘いへのお礼

お断りの前に、まずは会食の誘いへのお礼を述べましょう。

◎ 例「この度は、○○様との会食にお誘いくださり、誠にありがとうございます。」

辞退へのお詫び

冒頭での挨拶、お誘いへのお礼の後、早めに辞退の意思を伝えてお詫びをしましょう。

◎ 例「せっかくのお誘いなのですが、今回は出席できず大変申し訳ございません。」

お誘いを断る理由

辞退へのお詫びとともに断る理由も添えましょう。

◎ 例「せっかくのお誘いなのですが、すでに先約があるため、今回は出席できず大変申し訳ございません。」

代替案

もし可能な状況であれば代替案を提案した上で、相手に検討してもらいましょう。

◎ 例「お誘いの日は先約がありお応えできませんが、翌週の○曜日以外でしたら都合がつきます。もし可能であれば、改めてご検討くださいますと幸いです。」

今後のこと

相手との良好な関係を維持するため、今後についても触れておきましょう。

◎ 例「お招きにお応えできず大変心苦しいですが、今後とも変わらぬお付き合いを何卒よろしくお願い致します。」

気遣いの一言

会食に誘ってくれた相手に対して気遣う一言を添えましょう。

◎ 例「皆様とご一緒したいのは山々なのですが、今回はどうしても出席できず、誠に申し訳ございません。」

署名

最後は署名で締めくくります。

・会社名
・所属部署/課
・役職
・担当者名
・会社の所在地
・会社の電話番号
・会社のFAX番号
・メールアドレス(会社/自分)
・WebサイトなどのURL

お断りメールにふさわしいフレーズ

お断りメールにはクッション言葉を用いたフレーズで辞退の意思をやわらげながら伝えましょう。

◎ 例「とても有意義なひとときとなるであろうに残念ですが」
◎ 例「せっかくのお誘いをお断りするのは大変心苦しいのですが」
◎ 例「このようにお誘いをお断りすること、どうかお許しください」

ビジネス会食を辞退するときの丁寧な「お断りメール」例文

ここでは、ビジネス会食を辞退するときに役立つ丁寧な「お断りメール」の例文を3つのパターンで紹介します。

  1. 辞退が確定している場合
  2. 当日の予定が不明な場合
  3. 代替案を提案できる場合

お誘いを受けた時点での「辞退確定」「予定不明」「代替案あり」の3パターンに分けていますので、あてはまるものをご参照ください。

辞退が確定している場合

件名:【ご会食の件】○○(会社名)○○(名前)

株式会社○○ 営業部長 ○○様

平素より大変お世話になっております。
株式会社□□、営業部の鈴木太郎でございます。

この度は、ご会食にお誘いくださり、誠にありがとうございます。

せっかくのお誘いなのですが、その日は出張のため、今回は都合がつかず誠に申し訳ございません。
お招きにお応えできず大変心苦しいですが、また、折を見て、こちらからお誘いできればと思っております。

次の機会では○○様との忌憚のない意見交換を楽しみにしておりますので、今後とも変わらぬお付き合いを何卒よろしくお願い致します。

**************
(以下署名)

ポイント

はっきりとした表現で断りながらも、やんわりとした言葉を用いてお詫びをし、今後の関係性にもつなげましょう。

当日の予定が不明な場合

件名:【ご会食の件】○○(会社名)○○(名前)

株式会社○○ 営業部長 ○○様

平素より大変お世話になっております。
株式会社□□、営業部の鈴木太郎でございます。

この度は、ご会食にお誘いくださり、誠にありがとうございます。

せっかくのお誘いなのですが、あいにく別件での日程調整の途中で確実なお約束ができません。
別件の予定が決まり次第、こちらから改めてお返事させていただきますので、何卒よろしくお願い致します。

今回の会食機会に関わらず○○様との意見交換は楽しみにしておりますので、今後ともご高配の程よろしくお願い致します。

**************
(以下署名)

ポイント

最終的に断ることも想定しながら曖昧にさせず、改めて返事をする旨と合わせて今後の関係性にもつなげましょう。

代替案を提案できる場合

件名:【ご会食の件】○○(会社名)○○(名前)

株式会社○○ 営業部長 ○○様

平素より大変お世話になっております。
株式会社□□、営業部の鈴木太郎でございます。

この度は、ご会食にお誘いくださり、誠にありがとうございます。

せっかくのお誘いなのですが、その日は出張のため、今回は都合がつかず大変申し訳ございません。
お誘いの日はお応えできませんが、翌週の○曜日以外でしたら都合がつきます。
もし○○様のご予定として可能であれば、改めてご検討くださいますと幸いです。

○○様との忌憚のない意見交換を楽しみにしておりますので、今後とも変わらぬお付き合いを何卒よろしくお願い致します。

**************
(以下署名)

ポイント

はっきりとした表現で断りながらも、やんわりとした言葉を用いてお詫びをしつつ、代替案を端的に示しながら今後の関係性にもつなげましょう。

ビジネス会食を辞退するときに気をつけたいこと

メールに限らず、ビジネス会食を辞退するときは相手に失礼のないようタイミングや断り方に気をつけたいものです。

ここでは、お誘いを受けたのに断らなければいけないときのベストタイミングやマナーについて確認しておきましょう。

お断りのタイミングは「早め」がマナー

ビジネス会食への誘いを辞退するのであれば、なるべく早めに伝えるのが好ましいマナー。お店の予約や食事の手配など相手は会食のために諸々の準備をしますから、会食の人数やメンバーに関係なく準備の妨げにならないようにするためです。

しかしながら誘いを受けた「直後」だと印象を下げかねません。相手の準備の弊害にならず相手に悪い印象を与えないためには、お誘いを受けた日から2~3日以内がベスト。たとえば午前中に誘われたとしたら、その日の夕方頃にメールを送るなど断るまでの時間にも配慮しましょう。

もし、お誘いを受けた時点で予定がはっきり決まっていない場合は、予定が決まり次第改めて連絡する旨を伝えた上で、できるだけ早めに返答するようにしましょう。

電話や対面で「直接」謝るのもマナー

ビジネス会食の辞退については相手の立場や相手との関係性、日頃の連絡手段など、ケースバイケースで対応しましょう。場合によっては電話や対面で辞退を伝える方が適切なこともあります。

たとえば会食当日までに接する機会がある相手でも、取り急ぎ辞退メールを送った上で改めて直接お詫びをすると丁寧です。

まとめ

取引先や上司など仕事関係者から会食に誘われたのに、どうしても出席できないときは丁寧な断り方で対応しましょう。

ここで改めてビジネス会食への辞退メールを送るときのポイントをおさらい。

  • ○メールの「趣旨」をわかりやすく
  • ○辞退となった「理由」を添える
  • ○クッション的な「言葉」を用いる
  • ○相手に対する「気遣い」を忘れない
  • ○次につながる「表現」で補足する
  • ○可能なら「代替案」を提案する

また、お断りメールにふさわしいフレーズを用いながら、基本構成に沿ってまとめるのもポイントです。

本記事では、ビジネス会食を丁寧に辞退するときに役立つ「お断りメール」の例文を3つのパターンで紹介しました。

ぜひ、本記事を参考にしながら、相手との関係性やビジネスにおける将来性にも配慮したメールを作成してくださいね。

尚、ビジネス会食の「お礼メール」について書かれた記事もありますので、よければ合わせてご覧ください。

【例文付き】接待や会食など食事会後のお礼メール