接待で会食をすることになったら、お酌のマナーをマスターしておきましょう!
少人数での飲み会でも大人数の宴会でも、接待相手に失礼のないよう振る舞いたいものです。
本記事では、接待会食の場で役立つビールの注ぎ方&注がれ方について解説します。
お酒のプロに学ぶ、おいしいビールを注ぐコツも紹介しますので、ぜひ会食でのもてなしにご活用ください!
接待マナー|ビールの注ぎ方
ここでは、お酌でビール注ぐときのマナーについて解説します。
- ●ビール瓶のラベルを上にして注ぐ
- ●逆手にならないよう気をつける
- ●グラスにビール瓶がつかないよう注ぐ
- ●ビール瓶が濡れていたらハンカチで拭う
- ●残り少なくてもビールは勝手に注がない
- ●ビールこぼしたらすぐに拭いてお詫びする
それぞれのポイントを見ていきましょう。
ビール瓶のラベルを上にして注ぐ
ビール瓶は相手に銘柄などが見えるようにラベルを上にして底に近い部分を右手で持ちます。左手は首の下あたりを支えるように添えましょう。なるべく指を揃えておくと相手に品よく映ります。片手で注ぐのはNGマナーですので気をつけましょう。
逆手にならないよう気をつける
逆手とは手のひらを相手に向ける注ぎ方のことで、お酌の場では避けたいマナーです。
たとえば自分の左側にいる相手に、ビール瓶の上に右手がある状態のまま注ぐのはOKですが、そのまま自分の右側にいる相手に注ぐとなると右手が逆さまになって手のひらが相手に向いてしまいます。
もし自分の右側の相手にビールを注ぐときは、自分の体を右側にややねじって右手でのお酌が正しく行えるようにしましょう。
グラスにビール瓶がつかないよう注ぐ
グラスは相手が口をつけるものですから、ビール瓶をつけないように注ぎましょう。また、グラスの少し高いところから注ぐことで泡が立ってビールがおいしそうに見えます。
相手がグラスを傾けている場合はビールがグラスの内側をつたうように注ぎ、相手がグラスを立てたタイミングで少し高いところから注ぐと泡も残せます。
ビール瓶が濡れていたらハンカチで拭う
ビール瓶には「汗」といって時間が経つと水滴ができます。そのままビールを注ぐと相手に水滴が落ちるかもしれませんので、ビールを注ぐ前にハンカチでさっと拭いましょう。
このとき、相手を不快にさせないよう普段使っているハンカチではなく、あらかじめ用意しておいた白いハンカチを使うのも気遣いとして大切です。
残り少なくてもビールは勝手に注がない
グラスのビールが残り少なくなっていても、相手にことわりなく勝手に注がないようにしましょう。もしかすると別の飲み物を注文するつもりかもしれませんし、温まったビールに新しいビールを注ぎ足すと味が落ちるので嫌う人もいるからです。
「お注ぎします」と声をかける目安はビールの残りが3割程度になったタイミング。相手がグラスを差し出したらビールを注ぎ、もし断られたら「ほかの物を飲まれますか?」とたずねるとよいでしょう。
ビールこぼしたらすぐに拭いてお詫びする
もしビールこぼしたり、泡をあふれさせたりしてしまったら、すかさず自分のおしぼりで濡れたテーブルを拭きます。そして、「○○様においしいビールを飲んでいただこうと、つい硬くなって不慣れな酌をしてしまい大変失礼いたしました。お召し物は濡れていらっしゃいませんでしょうか?」などと丁寧にお詫びをしましょう。
ビールを拭いたおしぼりを置いたままにするのは好ましくありません。すぐ店員さんに頼んで何枚か替えをもらい、相手にも新しいものを渡しましょう。
プロに学ぶ!おいしいビールを注ぐコツ
ちょっとビールの注ぎ方で差をつけたいなら、お酒のプロからコツを学びましょう。
おいしいビールを注ぐポイントは3つ。
- 最初は勢いよく注いで、まずは泡だらけにする。
- グラスの1/3程度に泡が作れたら優しく注いでいく。
- 最後は「ビール(7):泡(3)」の割合になるよう調整する。
ビールのおいしさは「泡」の量にも関係してきますので、基本の注ぎ方に慣れたらプロのテクニックでもてなすのもひとつ。
ただし、悪ノリのパフォーマンスでビールをこぼさないよう、あくまでも丁寧にスマートに注ぐようにしましょう。
参照:家庭で簡単に最高のビールを注ぐ方法/The perfect way to pour beer deliciously.
接待マナー|ビールの注がれ方
ここでは、ビールのお酌を受けるときの注がれ方マナーについて解説します。
- ●グラスは両手で持ちながらも手の位置には注意
- ●泡だらけにならないようグラスを傾けるのはOK
それぞれポイントを見ていきましょう。
グラスは両手で持ちながらも手の位置には注意
ビールを受けるグラスは利き手で軽く持ち、もう片方の手は底のあたりに添える程度でかまいません。両手でグラスを包むようにもってしまうと冷えたビールが温まってしまいますし、見た目もスマートにならないからです。
泡だらけにならないようグラスを傾けるのはOK
ビールを注がれるときグラスを傾けるのは、泡だらけになるのを防ぐためです。ただ、最初から傾けているとビールが注ぎづらいので、グラスの半分くらいまで注がれたら少し傾け、注ぎ終わりの頃にグラスを立てるようにします。
相手によってビールの注ぎ方のクセが違いますから、相手が注ぎやすくなるよう受けるのも大切な心遣いです。
瓶ビール以外のビールのおいしい注ぎ方は?
接待シーンによって登場するビールも違いますから、ここでは瓶ビール以外のビールのおいしい注ぎ方についても紹介します。
缶ビール
バーベキューなどアウトドアでの接待で缶ビールをカップに注ぐときは、味わいの違う3つのパターンを参考にして振る舞いましょう。
注ぎ方 | 味わいの特徴 | 注ぎ方の手順 |
一度注ぎ | 炭酸が効いて、すっきりとした喉ごしのパンチや苦みがあるおいしさ | ・カップはテーブルなどの上に真っ直ぐ置く。 ・フタを開けたらカップいっぱいになるまで間を置かず一気にビールを注ぐ。 |
二度注ぎ | ビールならではの爽快感と香りが楽しめるおいしさ | ・カップはテーブルなどの上に真っ直ぐ置く。 ・カップの底から5~10cmの高さでグラスの6割程度を目安にビールを注ぐ。 ・大きな泡が消えるまで20~30秒ほど待ち、カップの内側にビールをつたわせてながら、ゆっくりと注ぐ。 |
三度注ぎ | 炭酸がやわらかで苦みが抑えられた泡しっかりめのおいしさ | ・カップはテーブルなどの上に真っ直ぐ置く。 ・低めの位置からカップ底の中央をめがけてゆっくりビールを注ぐ。 ・少しずつ缶ビールを高い位置に持ち上げながらカップを泡一杯にする。 ・泡とビールの割合が「1:1」程度になったら再び低い位置からビールを注ぐ。 ・泡がカップから1cmほど盛り上がるところまで注いでいく。 ・泡がはじけるのが落ち着いたら泡の真中の凹み部分にビールをゆっくり注ぐ。 ・泡がカップから2~3cmほど盛り上がった状態に仕上げる。 ・泡とビールの割合が「3:7」or「8:2」程度になるのがベスト。 |
どの注ぎ方でも、ビールが冷えていないとおいしく味わません。ビールは冷蔵庫のドアポケット以外の場所で4時間以上冷やしておきまましょう。
おいしく味わうための温度は夏なら4~6℃、冬なら6~8℃が理想ですので、クーラーボックスを活用してビールが温まらないようにするのもポイント。カップが濡れていたり、油がついていたりすると泡が立ちにくくなるので、必ず新しい乾いたものを使いましょう。
お酌をするときは?
- *相手に銘柄がわかるようにラベル部分を上にする。
- *缶の表の下の方を片手で持ち、もう片方の手は缶の裏側に添える。
- *缶がカップにつかないよう注ぐ。
- *缶が濡れているときはハンカチなどで拭いておく。
- *注ぎ足しは相手に確認してからにする。
ビールサーバー
ビアガーデンや立食パーティーなどでの接待ではビールサーバーで相手のビールを用意することがありますので、コツをつかんでおいしく入れられるようにしておきましょう。
注ぎ方の手順 | ポイント |
コック(ビールの注ぎ口)に対して正面に立ち、グラスを斜め45度程度に傾ける。 | ・泡だらけになるのでグラスをコックから離し過ぎない。 ・この状態でコックの先がグラスの内側に当たってもよい。 |
グラスの角度を45度程度に保ったまま、グラスの内側をつたわせるようビールを注ぐ。 | ・レバーを全開にして手前に引きグラスの7~8割程度まで注ぐ。 ・ここからはコックの先がビールに埋もれないよう注意する。 |
グラスの角度を45度程度に保ったまま、ビールの表面を泡で覆うように仕上げる。 | ・レバーを奥に倒したり、泡用に切り替えたりサーバーによって異なるので注意。 |
グラスを起こしながら泡がこぼれないギリギリの状態をねらう。 | ・泡とビールの割合が「3:7」になるのがベスト。 ・粗い泡がある場合はスプーンなどで泡切りをする。 ・ふんわりと泡がグラスから盛り上がる程度が目安。 |
食べ物を触った手が油で汚れたままグラスを持つと見た目にも不衛生ですので、必ず手を拭くか消毒するかしてビールを注ぐようにしましょう。
まとめ
接待会食での「お酌」は、相手と打ち解けるための大切なコミュニケーションです。
特にビールは会食ドリンクの定番ですから、お酌マナーを心得て相手に失礼のないよう活かしましょう。
本記事では、少人数の飲み会から大人数の宴会まで接待会食で役立つビールの注ぎ方について解説しました。
ここで、ビールの注ぎ方をおさらい。
- ●ビール瓶のラベルを上にして注ぐ。
- ●逆手にならないよう気をつける。
- ●グラスにビール瓶がつかないよう注ぐ。
- ●ビール瓶が濡れていたらハンカチで拭う。
- ●残り少なくてもビールは勝手に注がない。
- ●ビールこぼしたらすぐに拭いてお詫びする。
次にビールの注がれ方もおさらいしておきましょう。
- ●グラスは利き手で軽く持ち、もう片方の手を底のあたりに添える。
- ●泡だらけにしないためにはグラスを傾けつつ、相手が注ぎやすくなるよう受ける。
ぜひ、お酒のプロに学ぶ「おいしいビールを注ぐコツ」や瓶ビール以外のビールのおいしい注ぎ方も参考にしながら、スマートなおもてなしで有意義なひとときにしてくださいね!
尚、接待での座席マナーについては詳しく書かれた関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。