【例文あり】顔合わせ後に出す御礼状の書き方ポイント&失礼のないマナー

顔合わせの後には先方に御礼状を出すのが好ましいマナーです。

ただ、書き方がわからないと筆がすすみませんよね。

そこで本記事では、顔合わせ後に出す御礼状のポイントや例文をご紹介。

先方に失礼のないよう気をつけたいマナーについても解説します。

顔合わせ後に出す御礼状の書き方ポイント

顔合わせ後に出す御礼状は、以下のような流れでまとめると書きやすくなります。

  1. 先方の名前
  2. 頭語
  3. 顔合わせに同席してくれたことへのお礼
  4. 顔合わせ当日の感想やエピソード
  5. 自分の家族から先方への挨拶
  6. 結婚に向けた気持ちや準備について
  7. 締めくくりの挨拶
  8. 結語
  9. 日付
  10. 自分の名前

正式な御礼状には「頭語」「結語」といって挨拶のような言葉を用います。それぞれの組み合わせによって硬さ⇔柔らかさが変わりますので、先方との関係性に合わせて選びましょう。

頭語⇒結語の例ふさわしい使い方
拝啓⇒敬具一般的な手紙を書くとき
謹啓⇒謹白
謹んで申し上げます⇒かしこ
目上の方へ丁寧な手紙を書くとき
※「かしこ」の結びは主に差出人が女性の場合
前略失礼いたします⇒草々
前略ごめんください⇒かしこ
親しい相手への手紙で前文を省略するとき
※「かしこ」の結びは主に差出人が女性の場合

また、「前略」以外の場合は時候の挨拶といって季節ごとの一文を添えるものマナーです。

季節時候の挨拶例
冒頭:春の陽気が心地いい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
結び:季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。
冒頭:連日、厳しい暑さが続く中、いかがお過ごしでしょうか。
結び:しばらく厳しい暑さが続くようですが、くれぐれもご自愛ください。
冒頭:秋の深まりを感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
結び:秋深まりゆく季節の折ですので、お風邪など召されませんようお過ごしください。
冒頭:寒さが肌にしみる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
結び:寒さの厳しい折ですので、くれぐれもご自愛ください。

その季節に合わせた雰囲気が伝わるような表現でまとめるのがポイントです。

ここからは、基本的な流れに沿った具体的な御礼状例文を見ていきましょう。

【例文】顔合わせ後に出す御礼状2つのパターン

ここでは、顔合わせ後に出す御礼状の例文を先方との関係性ごとに2つのパターンで紹介します。

ぜひ、季節感や顔合わせ当日の様子など実際のシチュエーションに合わせてカスタマイズしながらご活用ください。

まだ先方とは距離感がある場合の例文

○○様(先方の父親の名前)
○○様(先方の母親の名前)

拝啓

日毎に秋が深まる今日この頃ですが、皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

先日は両家での顔合わせ食事会に際し、ご多用にもかかわらず、○○までお越し下さいまして有難うございました。心よりお礼申し上げます。

会食の場では皆様の温かいお言葉やご家族での楽しい思い出話に触れ、和やかで有意義なひとときが過ごせました。

私の両親も、こうして皆様とお近づきになれたことを大変喜ばしく思っており、両家の結びつきがより深まることを願っていますので、この場をお借りして両親からのご挨拶に代えさせていただきます。

結婚式まではまだ数か月ありますが、これから○○さんと力を合わせて晴れ晴れしい日となりますよう準備をすすめていきたいと思います。

まだまだ未熟な私ですので至らぬ点もあるかとは思いますが、皆様との家族同然のお付き合いを大切にしたいとも思っていますので、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

秋深まりゆく季節の変わり目ですので、お体、くれぐれもご自愛ください。

略儀ではございますが、書中をもってご挨拶とさせていただきます。

敬具

令和○年○月○日
○○○○(自分の名前)

ポイント
時候の挨拶を入れながら、堅苦しくなり過ぎないよう全体として丁重な印象でまとめましょう。

すでに先方と親しくしている場合の例文

○○様(先方の父親の名前)
○○様(先方の母親の名前)

前略失礼いたします

先日は両家での顔合わせ食事会にのため、○○までお越しいただき有難うございました。

皆様の温かいお言葉やご家族での楽しい思い出話に触れ、和やかで有意義なひとときが過ごせました。

私の両親も、こうして皆様とお近づきになれたことを大変喜ばしく思っており、両家の結びつきがより深まることを願っていますので、この場をお借りして両親からのご挨拶に代えさせていただきます。

結婚式まではまだ数か月ありますが、これから○○さんと力を合わせ、晴れ晴れしい日が迎えられるよう準備をすすめていきたいと思います。

まだまだ未熟な私ですので至らぬ点もあるかとは思いますが、皆様との家族同然のお付き合いを大切にしたいとも思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

草々

令和○年○月○日
○○○○(自分の名前)

ポイント
たとえ親しい間柄であっても書面では馴れ馴れしくならないよう、全体として丁寧な表現を意識しましょう。

顔合わせ後に出す御礼状で気をつけたいマナー

顔合わせ後に出す御礼状では先方に失礼がないよう気をつけたいマナーに注意しましょう。

  • ●御礼状には白の便箋に「縦書き」がふさわしい
  • ●御礼状を届けるタイミングは「1週間以内」がベスト
  • ●親から親へ「親同士」で御礼状を出すかは必要に応じて
  • ●御礼状への「返事」にはケースバイケースで対応
  • ●LINEやメールは先方との「関係性」によりOKな場合も

それぞれのマナーについて解説します。

御礼状には白の便箋に「縦書き」がふさわしい

御礼状を書く場合は白い便箋を使います。フォーマルな形式は「縦書き」ですので、縦罫線が入ったものでもかまいません。横書きも絶対NGではありませんが、カジュアルな形式になるため先方との関係性に合わせましょう。

また、パソコンで作成してプリントアウトするのではなく「手書き」で書くのが適切です。フォーマル度が高い順に「毛筆」→「万年筆」→「水性ペン」→「ボールペン」ですので文章の硬さや柔らかさに合わせるといいでしょう。

もし書き間違えたら修正ペンや修正テープは使わず書き直します。書き終えた御礼状は白無地の封筒に入れて出しましょう。

御礼状を届けるタイミングは「1週間以内」がベスト

御礼状は、顔合わせの日から1週間以内に先方に届くように出しましょう。あまり時間が経ちすぎるとお礼の気持ちが伝わりにくくなりますし、顔合わせ後の余韻も冷めてしまい筆がすすみにくくなるからです。

親から親へ「親同士」で御礼状を出すかは必要に応じて

顔合わせ後の御礼状は結婚予定の二人が出すのが一般的です。ただ、顔合わせの状況によっては親から親へ御礼状を送るのが好ましい場合があります。

  • *顔合わせの食事代を出してもらった。
  • *相手の自宅での顔合わせで食事をごちそうになった。
  • *こちらだけ先方に手土産を渡せなかった。
  • *遠方から出向いたため交通費や宿泊費を出してもらった。

このような場合は、お礼の品も一緒に贈る方がより丁寧です。ふさわしい予算はケースごとに違いますので、先方に気を遣わせない程度の品を選びましょう。

親から親へ御礼状を出すときも基本的な内容は変わりませんので、例文やポイントを参考にしてください。

お礼の品を同封する場合は「心ばかりの品ではございますが、どうぞお納めください」の一文を添えるといいでしょう。

御礼状への「返事」にはケースバイケースで対応

もし、自分が出した御礼状に返事をもらった場合、さらに返事を書く必要はありません。ただ、結婚予定の相手から自分の親宛てに御礼状が届いた場合は親から返事をしてもらうと丁寧です。

◆返事を出すときの例文

拝復

ご丁寧なお手紙を有難うございました。

こちらこそ皆様とのお顔合わせが叶い、和やかなひとときが過ごせたこと何よりでございました。

まだまだ○○(名前)も未熟で至らぬ点もあるかと思いますが、私どもも必要な力添えはするつもりでおりますので、今後とも末永くよろしくお願いいたします。

お仕事に結婚準備にと忙しくされることと思いますが、くれぐれもお体ご自愛ください。

略儀ではございますが、書中をもって御礼とさせていただきます。

敬具

ポイント
返事の場合の頭語は「拝復」とし、お礼や相手への気遣いなどをつづりましょう。

LINEやメールは先方との「関係性」によりOKな場合も

たとえば、先方の家族と日頃からLINEやメールでやり取りしている場合は書面でなくてもかまいません。すでに家族同然の親しい付き合いをしているような関係性なら失礼にはならないかもしれませんが、どうしても迷ったら書面で出すのが無難です。

◆LINEやメールの例文

○○です。

本日は両家での顔合わせ食事会にのため、お忙しい中お時間を作っていただきありがとうございました。

おかげ様で、両家揃って家族の話に花が咲く和やかで有意義なひとときとなりました。

私の両親も、こうして皆様とお近づきになれたことを大変喜ばしく思っておりました。

結婚式まではまだ数か月ありますが、これから○○さんと力を合わせ、準備をすすめていきたいと思います。

これからも皆様との家族同然のお付き合いを大切にしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ポイント
たとえLINEやメールであってもカジュアルになり過ぎず、丁寧な表現を意識しながら長々とならないよう、お礼や挨拶を中心にまとめましょう。

まとめ

顔合わせ後に出す御礼状は書き方のポイントを踏まえて作成しましょう。

  1. 先方の名前
  2. 頭語
  3. 顔合わせに同席してくれたことへのお礼
  4. 顔合わせ当日の感想やエピソード
  5. 自分の家族から先方への挨拶
  6. 結婚に向けた気持ちや準備について
  7. 締めくくりの挨拶
  8. 結語
  9. 日付
  10. 自分の名前

正式な御礼状には「頭語」「結語」「時候の挨拶」を取り入れて丁寧な文面にします。

また、御礼状の文面は先方との関係性に合わせて表現の硬さや柔らかさを調整するのもポイントです。

せっかく御礼状を出すのであれば、先方に失礼のないよう気をつけたいマナーにも注意しましょう。

ぜひ、本記事を参考にしながら先方との結びつきが深まるような心のこもった御礼状を作成してくださいね。

尚、顔合わせの準備に役立つ関連記事もありますので、よければ合わせてご参照ください。