結納は必要か?メリットや流れ&顔合わせ食事会との違い

おふたりの婚約が決まって悩むことのひとつが「結納をどうするか」というテーマではないでしょうか。

伝統的な儀礼であるため、「堅苦しそう……」「いろいろ準備が大変なのでは?」などと気になりますよね。

そこで本記事では、これから両家における婚約セレモニーを検討している方々に役立つよう以下の内容を紹介します。

  • 結納する派と結納しない派の割合
  • 結納を「する」「しない」のメリット
  • 結納「する」「しない」の決め方
  • 結納の流れと実施に必要な準備
  • 結納と顔合わせ食事会との違い

ぜひ、本記事でイマドキの婚約事情に触れながら、おふたりにとって、また、両家にとってのベストな選択をしてくださいね。

結納は必要?結納しない派は90%以上!

ゼクシィ結婚トレンド調査2024」によると、結納を実施したカップルが約7%であるのに対し、結納を実施しなかったカップルは90%以上と大多数であることがわかります。

結納を「する派」にも「しない派」にも理由があるわけですが、「しない派」が多数派なのは「時間」や「距離」といった現代ならではの問題があるため。

結納の実施が通例だった時代と比べ、合理化が優先されたり、カジュアルさが求められたりといったイマドキな事情が関係しています。

結納を「する」「しない」のメリット

結納を「しない」カップルが90%以上の多数派であることは「ゼクシィ結婚トレンド調査2024」で判明しましたが、結納を「する」「しない」のどちらにするかを決めるにあたって、それぞれのメリットをここで確認しておきましょう。

するメリット

・ふたりの中で結婚することへの意識が高まる。
・両家の家族に正式な形で婚約に立ち会ってもらえる。
・家と家の付き合いという点で結びつきを強くさせられる。
・家族が伝統や格式を重んじる場合に安心させられる。

結納を「する」場合のメリットとしては「けじめ」「関係性の強化」「形式へのこだわり」などが挙げられます。

ただ、いまの時代は「顔合わせ」だけでカバーできるテーマもありますし、さまざまな方法でコミュニケーションが図れますので「しない」を選択するカップルが多数派であるのが実情です。

しないメリット

・仲人の手配や準備などの負担が減る。
・古くからの伝統にしばられず結婚に迎える。

結納を「しない」場合のメリットには、いまの時代に合ったカタチで結婚したいというカップルの本音が映し出されています。

結納の実施が一般的だった時代は「家」と「家」の結びつきが重視されていましたが、いまは結婚を機に夫婦が独立して家庭を築くというのがスタンダードなため「しない派」が大多数となりました。

結納「する」「しない」の決め方は?

結納を「する」のか「しない」のか、判断に迷ったときのヒントになるよう、ここでは「決め方」のポイントを紹介します。

ふたりの考えをまとめる

まず、おふたりで結納をどうするか話し合いましょう。そのためには、それぞれが結納がどういうものかを理解し、結納をする場合としない場合のメリットをどちらも把握しておくこと。

けして自分の考えだけを押し付けず、「自分は~したいけど、あなたはどう?」とお互いの気持ちを確認し合うことが大切です。

ふたりの考えを親に相談する

おふたりの中で考えがまとまったら、それぞれの親に相談しましょう。ただ「したい」「したくない」と伝えるのではなく、どのような理由で「したい」「したくない」と考えているのかも説明することが大事。

おふたりの話し合いの中だけでは決まらなかったことが決められたり、おふたりでは考えつかなかった方法で結納や顔合わせが行えるようになったりなど親の側から妙案がもたらされることもあります。

結納の流れと準備<略式結納・正式結納>

結納を「する」にしても、流れや準備がわからないと予定が立てられません。

ここでは、結納の基本的な流れと必要な準備について確認していきましょう。

結納の流れ

結納には略式結納と正式結納がありますが、流れそのものに大きな違いはありません。

ただ、関東式と関西式といった地域による違いがあります。

関東式と関西式

関東式
(結納を交わす)
「結納品」は男性側と女性側で同格のものを贈り合い、「結納金」は男性側から女性側へ贈りますが、「半返し」として女性側から半額を男性側にお返しします。
関西式
(結納を納める)
「結納品」は男性側から女性側へ贈るのみで、 女性側が「お返し」として受け取った額の1割程度の品を贈ることもあります。

どちらのスタイルで行うかは、ふたりの実家の地域を基準にします。ただ、ふたりの実家が関東と関西で分かれている場合は両家で相談して決めることになります。

基本的な流れ

流れポイント
1. 結納品の飾り付け和室の床の間や洋室の上座に「毛せん」を敷いてから男性→女性の順で飾ります。
2. 始めの挨拶男性側の父親(不在の場合は母親か本人)が行います。
3. 男性側が結納品を渡す男性の母親が結納品をのせた盆ごと女性の前に持っていき、一礼をして渡します。
4. 女性側が受書を渡す女性側が本人→父親→母親の順で目録を確認し、女性がお礼を述べます。
女性の母親が結納品を元の場所に運び、男性の前に受書を置いて一礼します。
5. 女性側が結納品(結納返し)を渡す女性の母親が結納品(結納返し)をのせた盆ごと男性の前に持っていき、一礼をして渡します。
6. 男性側が受書を渡す男性側が本人→父親→母親の順で目録を確認し、男性がお礼を述べます。
男性の母親が結納品を元の場所に運び、女性の前に受書を置いて一礼します。
7. 婚約記念品のお披露目男性と女性がそれぞれ受け取った婚約記念品をお披露目します。
8. 締めの挨拶男性の父親が締めの挨拶を行ない、その後、女性側の父親がお礼の言葉を述べます。

大きな流れとしては男性側→女性側の順で「結納品」と「目録」を渡し、相手に「受書」を返すといったことを行います。

正式結納の場合は「仲人」が取り持ちますので、それぞれの流れにおいて仲人が口上を述べながら進めます。

結納の挨拶や口上については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

【例文】結納の流れに沿った口上・挨拶|正式と略式の違いや注意点もご紹介

結納に必要な準備

結納の準備は形式や地域によっても異なりますので、その違いを比較しながら見ていきましょう。

正式結納と略式結納の違い

ポイント正式結納略式結納
場所男性と女性それぞれの実家ホテル、レストラン、料亭など
仲人必ず立てる
(男性と女性の実家を行き来する)
立てる必要はない
(仲人ありでも両家を行き来しない)
会食なし
(仲人にのみ食事を振る舞う)
任意
(結納後に別席で設けることが多い)
結納品の数5品以上を準備する5品以下に省略できる
結納返し関東式の場合は返すことが多い任意で返すこともある
両家顔合わせ両家の実家で行うため「できない」一堂に会するため「できる」
服装フォーマル・正礼装準礼装・略礼装

正式結納と略式結納の大きな違いは「実施する場所」「仲人の有無」「結納品の数」です。現在の傾向としては正式結納を簡素化した略式結納が主流です。

男性からの結納品

内容関東式関西式
3品目(略式)・長熨斗(ながのし)=干したアワビ
・末広(すえひろ) =扇子
・金包(きんぼう)=結納金
※男性側は「御帯料(おんおびりょう)」
※女性側は「御袴料(おんはかまりょう)」
・熨斗(のし) =干したアワビ
・寿恵廣(すえひろ) =扇子
・小袖料(こそでりょう) =結納金
5品目(略式)・長熨斗(ながのし)=干したアワビ
・末広(すえひろ) =扇子
・目録(もくろく) =納品書のようなもの
・友白髪(ともしらが) =白い麻糸を束ねたもの
・金包(きんぼう)=結納金
※男性側は「御帯料(おんおびりょう)」
※女性側は「御袴料(おんはかまりょう)」
・熨斗(のし) =干したアワビ
・寿恵廣(すえひろ) =扇子
・小袖料(こそでりょう) =結納金
・柳樽料(やなぎだるりょう) =酒肴料
・松魚料(まつうおりょう)=鰹節
7品目(略式)・長熨斗(ながのし)=干したアワビ
・末広(すえひろ) =扇子
・目録(もくろく) =納品書のようなもの
・友白髪(ともしらが) =白い麻糸を束ねたもの
・子生婦(こんぶ) =昆布
・寿留女(するめ) =スルメ
・金包(きんぼう)=結納金
※男性側は「御帯料(おんおびりょう)」
※女性側は「御袴料(おんはかまりょう)」
・熨斗(のし) =干したアワビ
・寿恵廣(すえひろ) =扇子
・小袖料(こそでりょう) =結納金
・柳樽料(やなぎだるりょう) =酒肴料
・松魚料(まつうおりょう)=鰹節
・高砂(たかさご) =高砂人形
・結美輪(ゆびわ) =婚約指輪
9品目(正式)・長熨斗(ながのし)=干したアワビ
・末広(すえひろ) =扇子
・目録(もくろく) =納品書のようなもの
・友白髪(ともしらが) =白い麻糸を束ねたもの
・子生婦(こんぶ) =昆布
・寿留女(するめ) =スルメ
・勝男節(かつおぶし)=鰹節
・家内喜多留(やなぎだる)=酒肴料
・金包(きんぼう)=結納金
※男性側は「御帯料(おんおびりょう)」
※女性側は「御袴料(おんはかまりょう)」
・熨斗(のし) =干したアワビ
・寿恵廣(すえひろ) =扇子
・小袖料(こそでりょう) =結納金
・柳樽料(やなぎだるりょう) =酒肴料
・松魚料(まつうおりょう)=鰹節
・子生婦(こんぶ) =昆布
・寿留女(するめ) =スルメ
・高砂(たかさご) =高砂人形
・結美輪(ゆびわ) =婚約指輪

結納品には関東式と関西式の違いがあります。

結納品の品数は「3」「5」「7」「9」と割り切れない数で準備するのが通例です。

正式結納では9品が一般的ですが、略式結納では7品以下に省略して贈られます。

女性からの結納品(関東式)

内容
・長熨斗(ながのし)=干したアワビ
・末広(すえひろ) =扇子
・御袴料(おんはかまりょう) =結納金
・目録(もくろく) =納品書のようなもの
・友白髪(ともしらが) =白い麻糸を束ねたもの
・子生婦(こんぶ) =昆布
・寿留女(するめ) =スルメ
・勝男節(かつおぶし)=鰹節
・家内喜多留(やなぎだる)=酒肴料

関東式では、女性側からも男性側に同格の結納品を贈るのが伝統的な形式です。場合によっては結納品ではなく、「結納返し」として現金や腕時計などの婚約記念品を贈ることもあります。

結納品以外のもの

内容ポイント
飲食代(会場費含む)15万円〜20万円
結納金50万円~100万円
結納返し受け取った現金や品物の半額程度
家族書
親族書
家族書=同居している家族を記したもの
親族書=親戚や同居でない既婚の兄弟姉妹を記したもの
受書結納品への受領書のようなもの
小道具大風呂敷、儀式盆、袱紗(ふくさ)など
お土産婚家先の家族やご先祖様への贈り物

結納品以外にも、飲食代からお土産まで必要な準備があります。どのような準備をどれくらいの費用で行うかは、おふたりで、また、両家で事前に相談しておきましょう。

結納の実施には、専門店に便利な結納セットがありますので、これからの準備に活用してはいかがでしょうか。

結納品|老舗水引屋 大橋丹治

結納と顔合わせ食事会との違いは?

結納を実施するか、もしくは顔合わせ食事会だけを実施するかを考えるとき、その「違い」を知っておくと判断の目安となります。

◆結納のポイント
・結納では「結納品」や「結納金」を用意する。
・正式結納では両家を行き来する「仲人」を立てる。
・略式結納は「仲人」を立てず両家が集まって行う。

結納と顔合わせ食事会の大きな違いは「結納品」「結納金」「仲人」の有無です。場合によっては顔合わせ食事会で男性側から女性側に結婚準備金として「支度金」や「結納金」が渡されることもあります。

顔合わせ食事会には結納のような伝統的な形式はありません。どのようなカタチにするかはカップルごとに、また、家ごとに相談しながら決められるのが一般的です。

よくある傾向としては、会食のほかに「婚約記念品の交換」「両家の親が婚姻届の証人欄に署名」「両家揃っての記念撮影」などが行われています。

尚、「顔合わせ」については参考になる関連記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

顔合わせだけで「結納金なし」は失礼?お金のマナーや注意点を徹底解説

【顔合わせの流れ】当日までの準備からカジュアルにするときの注意点まで徹底解説

まとめ

結納を「する派」は「しない派」と比べて圧倒的に少ないことがわかりました。いまの時代の傾向としては略式結納や顔合わせ食事会が一般的です。

「する」にしても「しない」にしてもメリットはありますので、おふたりにとって、そして両家にとって最良のカタチで婚約セレモニーを実施しましょう。

結納を実施する場合は形式や地域ごとの違いにも着目し、どのようなスタイルで行うかを相談するのもポイント。ぜひ、本記事で紹介した内容を参考にしながら、これからの準備にお役立てくださいね。

結納について「詳しく知りたい」という場合は参考になる記事がありますので、よければ合わせてご参照ください。

【結納って何するの?】顔合わせ食事会との違いなど押さえておきたい結納の基礎

 

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