顔合わせの予定が決まり、「ところで席順は?」と新郎新婦を悩ませる座り方マナー。
たとえば、「新郎新婦の位置は?」「円卓の場合は?」「祖父母や兄弟の席は?」など、席順に関する疑問はないでしょうか。
本記事では、顔合わせの最低限のマナーとして、席順や正しい座り方を解説します。
わかりやすい図解や席順に困ったときのポイントも紹介していきますので、ぜひ、席決めに役立てください!
顔合わせの席順マナーと正しい座り方
ここでは、顔合わせの席決めに必要な基本的マナーを解説します。
顔合わせの場所を問わず、どのテーブルや個室でも応用できますので、しっかりポイントを押さえておきましょう。
- まず「上座」と「下座」を知っておく
- 円卓でも「上座」と「下座」の定義は同じ
- 例外で「上座」と「下座」が替わる場合もある
それでは具体的に見ていきましょう。
まず「上座」と「下座」を知っておく
日本特有の作法として、フォーマルな場では「上座」「下座」を基準に席順を決めます。
お店や個室の出入り口から最も遠い席を「上座」といい、逆に出入り口に近い席を「下座」といいます。
その場の中で最も快適であることを意味する「上座」には、大切な客人や立場が上の人を座らせるのが伝統的マナーです。
では、このマナーに沿った顔合わせの席順はどうなるでしょうか?
新郎新婦×両親の基本的な座り方
顔合わせでの基本スタイルは、このような席順になります。
出入口の近くに新婦側が座り、テーブルをはさんだ向かいに新郎側が座ります。新郎父には出入口から最も離れた「上座」に座ってもらい、向い同士で立場を合わせるため新婦父が正面に座ります。
顔合わせでは、新郎新婦が「両親をもてなす」という役割もあるため、スタッフへのオーダーがしやすい出入口に座る意味もあるのです。
顔合わせは両家で出席者の人数を揃えるのが好ましいため、片親の場合は兄弟や親族に同席してもらい、お互いの出席人数を合わせましょう。
円卓でも「上座」と「下座」の定義は同じ
円卓であっても、「上座」と「下座」の定義は同じで、出入り口から見た位置関係で決まります。
もし、円卓の広さが大きくてスペースが空くような場合は、上座寄りに座りテーブルの半分を使うとよいでしょう。
円卓は全員の顔がよく見え、会話も交わしやすいため顔合わせのモダンスタイルとして人気です。
それでは、円卓で顔合わせをする場合の席順はどうでしょうか?
新郎新婦×両親の基本的な座り方
円卓であっても、基本のスタイルなら四角いテーブルと同じ座り方でかまいません。
また、円卓での顔合わせは現代風であるため、席順にこだわらないケースも。
より会話がはずむようにと、新郎母と新婦父が入れ替わる形で父親同士、母親同士が並んで座る場合もあります。
例外で「上座」と「下座」が替わる場合もある
一般的には「下座」の位置でも、眺めのいい窓から景色が楽しめるような場合は「上座」になります。
もし、新郎側を出入口の付近に座らせるなら、「本来、あちらの御席にご案内するべきなのですが、こちらの御席ですと眺めがいいので、よろしければいかがでしょうか」と新婦からひと言添えると丁寧です。
窓の有無や眺望の様子などについてはホームページやパンフレットだけではわかりにくいため、事前に下見しておくか、スタッフに確認しておくかしましょう。
顔合わせの席順マナーを応用した座り方
顔合わせの席順マナーを応用して、出席者の属性や両家の関係性、当日の雰囲気に合わせた席順も見ておきましょう。
- 新郎新婦が両親の間に座る
- 祖父母や兄弟は母の下座寄りに座る
- それぞれの両親を真ん中にして座る
ここから図解を添えて紹介していきます。
新郎新婦が両親の間に座る
伝統的な席順をベースにして、新郎新婦が両親の間に座るスタイルです。
新郎新婦が中心となって食事・歓談を盛り上げられるメリットがあります。
たとえば、結納は別日に済ませていて、家族の紹介や相手の両親との会話を重視したい場合にはおすすめ。
また、当日まで新郎新婦が出入り口側を予定していても、親から『ふたりは真ん中でどうぞ!』とうながされた場合は遠慮せず、臨機応変に対応しましょう。
祖父母や兄弟は母の下座寄りに座る
両親のほかに、祖父母や兄弟などが同席する場合、それぞれの母親の隣に座らせます。
正しい席順としては、年長者や立場が上の人から順に下座に向かって並ぶ座り方。
両親以外に同席者が増える場合も、お互いの人数は合わせておくのがマナーです。
それぞれの両親を真ん中にして座る
伝統的なスタイルここだわらなかったり、両家の関係性が顔合わせ前から親密であったりなどの場合は、両親を真ん中にしたスタイルも。
家族全体での親睦を深められるメリットがありますが、「上座」のしきたりを重んじる両親には喜ばれませんので注意しましょう。
お互いの人数を合わせ、向い同士が同じような立場になるような席順で設定しておくのが好ましいです。
顔合わせと結納を一緒にするなら?
もし、顔合わせと略式の結納を兼ねるなら、「主体」によって席順が決まります。
- 新郎新婦が主体の場合
- 家や両親が主体の場合
どちらを「主体」にするかについては、事前に両親に確認しておきましょう。
新郎新婦が主体の場合
新郎新婦を主体とする場合は、新郎が上座(床の間の前)に座り、下座に向かって父、母と並びます。
新婦側は、それぞれ新郎側と立場を合わせて向かい合わせに座りましょう。
家や両親が主体の場合
家や両親が主体の場合は、新郎父が上座(床の間の前)に座り、下座に向かって母、新郎と並びます。
新婦側は、それぞれ新郎側と立場を合わせて向かい合わせに座りましょう。
もし顔合わせの席順マナーに困ったら?
いくら伝統的なスタイルや応用の座り方がわかっても、「うちのケースはどう?」「こういう場合は?」と、いろいろ悩むかもしれません。
もし席順マナーに困ったら、よくある疑問と解決ポイントを参考にしてみてください。
- 新婦側の両親が新郎より10歳以上も年上なら新婦側を上座にする。
- 新婦や同席者が赤ちゃん・幼児を連れているなら出入口の近くに。
- 祖父母など車いすの出席者がいるなら出入口の近くの席に。
- どうしても決められないときは基本系にするか両親に相談する。
- 上座がわかりにくい会場ならお店のスタッフに相談する。
- カジュアルな会場でも上座を基準にした席順にしておく。
- 席順を伝えるタイミングを逃さないよう席次表を作っておく。
- 親睦を深めるため顔合わせの途中で席を変わってもよい。
結納と違い、顔合わせは家族の紹介や家同士の交流のために行う慶事です。
必ずしも「こうでなければならない」という厳密なルールが決められているわけではありませんので、全員が楽しく過ごせるような座り方を心がけましょう。
顔合わせの席順は正しいマナーを基本に
顔合わせの席順は、「上座」と「下座」で「もてなす側」と「もてなされる側」を分けた基本的なマナーを基準に決めましょう。
ここで、簡単に席の決め方のポイントをおさらい。
- 伝統的なスタイルか会話や交流を重視したスタイルか。
- 四角いテーブルにするか円卓にするか。
- 両親以外の出席者は、出席者の人数はどうするか。
- 結納の兼ねた顔合わせの場合、どちらが主体となるか。
本来、「下座」は出入口の近くの席をさしますが、眺めのいい窓があれば「上座」にもなり得ます。
お店のレイアウトによっては「上座」と「下座」の位置関係がわかりづらいケースもありますから、席順に困ったら両親やスタッフに相談したり、顔合わせ当日の席変更で調整したり、臨機応変に対応しましょう。
おふたりの顔合わせが、ベストな席順で晴れやかな日となりますように!