お宮参りは本来、赤ちゃんが生後1か月になる頃に行います。
お宮参りを初めて迎えるご両親にとっては準備や作法が気になるかもしれません。
「お宮参りをするのはなぜ?」
「お宮参りに必要な準備は?」
「お宮参り当日の流れや作法は?」
このような疑問を解決するため、本記事では以下の内容で解説します。
- お宮参りとは?その目的は?
- お宮参りを迎えるための準備
- お宮参り当日の流れと参拝作法
- お宮参り当日に必要な持ち物
ぜひ、本記事を参考にしていただき、お宮参りに備えてくださいね。
お宮参りとは?その目的は?
お宮参りとは、赤ちゃんが生後1か月になる頃に行われる伝統行事で、もともとは「初宮参り(はつみやまいり)」と呼ばれる儀式が由来しています。
その土地の守り神である「産土神(うぶすながみ)」をたずね、赤ちゃんの誕生を報告し、赤ちゃんの成長を祈願するのが目的です。
本来、お宮参りには古くからの慣わしに沿った作法がありますが、最近では慣わしにしばられず時期をずらしたり、洋装で参列したり、赤ちゃんと両親だけで参拝したりなど、家庭ごとの判断で行われるケースも増えています。
お宮参りの時期については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
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お宮参りを迎えるための準備
お宮参りを迎えるにあたり、必要な準備をしていきましょう。
- お宮参りする神社を選ぶ
- 神社への初穂料を用意する
- 写真館に撮影の予約をする
- お宮参り後に食事会を設ける
- 赤ちゃんを誰が抱っこするか決める
- お宮参りで着る服装を話し合う
これらの準備をリスト化しておき、ひとつずつ進めていくとバタバタせずに当日が迎えられますよ!
お宮参りする神社を選ぶ
その土地の神様に参拝するため、お宮参りの神社は赤ちゃんの生誕地や赤ちゃんが暮らす居住地、あるいはお父さんお母さんの実家がある地域など、赤ちゃんと縁のある場所から選びましょう。
もちろん『隣町にある人気の神社に行きたい』『祖父母と合流しやすい場所にしたい』など、家庭ごとに希望や条件から選んでもかまいません。
神社への初穂料を用意する
もし、お宮参りで赤ちゃんの「祈祷(きとう)」をお願いするなら、「初穂料(はつほりょう)」と呼ばれる「御礼」を用意します。
もともとは「お米」を供えていたのですが、現在では現金で神様に差し出すようになりました。
祈祷は当日でも受け付けている場合もありますが、事前に予約しておくのが確実です。
初穂料については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
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写真館に撮影の予約をする
お宮参りの記念に写真撮影するのが一般的ですから、自宅や神社の近くの写真館に予約しておきましょう。
七五三や卒入学などのシーズンに重なると予約が取りづらくなるかもしれませんので、お宮参りの日程が決まったら早めに予約するのもポイントです。
お宮参り後に食事会を設ける
お宮参りは午前中に行うため、参拝後は参列者が会食するのが一般的です。
食事会を設ける目的としては赤ちゃんのお祝い、祖父母への感謝のしるし、お母さんへのねぎらいなど。
食事会は自宅でも飲食店でもかまいませんが、自宅なら手作りや仕出しの手配を、飲食店なら予約をしておきましょう。
お宮参り後の食事会については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
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赤ちゃんを誰が抱っこするか決める
古くからの慣わしでは、赤ちゃんは父方の祖母が抱っこして参拝していました。
諸説ありますが、「出産が穢れ(けがれ)とされたため産後間もない母親が抱くのは許されなかった」「産後で疲労した母親の負担を減らすため祖母が代わって抱っこした」などが理由です。
現在では『誰が抱っこしてもよい』という風潮はありますが、慣習にこだわる地域や家庭もありますので家族で相談しておきましょう。
お宮参りで着る服装を話し合う
お宮参りにおける正式な服装は和装で、赤ちゃんは祝い着を、お父さんは紋付羽織袴を、お母さんは黒留袖や色留袖、紋付きの訪問着を着るのが作法でした。
現在では服装がカジュアルダウンし、赤ちゃんはベビードレスやよそ行きのロンパース、お父さんはダークカラースーツを、お母さんは和装なら色無地や付け下げなど、洋装ならフォーマルウェアやワンピースなど、それぞれの家庭でコーディネートされています。
どのような服装で参拝するかは祖父母も含めた参列者で揃えるのが好ましいため、前もって話し合っておきましょう。
お宮参りの服装については詳しく書かれた記事がありますので、よければ合わせてお読みください。
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お宮参り当日の流れ
お宮参り当日の流れを確認しておき、当日のスケジュールを踏まえた準備をすすめましょう。
- お宮参りの服装に着替える。
- 予約した写真館で写真撮影する。
- 参列者は待ち合わせ場所に集合する。
- 神社へ参拝する、ご祈祷を受ける。
- 参列者と食事会でお祝いする。
写真撮影は参拝後にしても問題ありませんが、赤ちゃんの疲労やご機嫌を考えて負担の少ない午前中にすませるのが一般的です。
お宮参りでの参拝作法
お宮参り当日の参拝で戸惑わないよう、正しい作法を見ておきましょう。
- 参道を歩き鳥居をくぐる
- 手水舎で身体を清める
- 神前では賽銭を入れ拝礼する
- 神前から参道で戻り鳥居をくぐる
- ご祈祷を受ける場合は手水舎から社殿へ
それぞれ手順を紹介します。
参道を歩き鳥居をくぐる
- 参道の手前で服装を整えます。
- 神様が通る中央を避けて参道を歩きます。
- 軽く一礼をして鳥居をくぐります。
一礼のときは『お邪魔いたします』と心の中で唱えましょう。
手水舎で身体を清める
- 右手にひしゃくを持ち、左手を水で清めます。
- ひしゃくを左手に持ち替えて右手を清めます。
- 右手でひしゃくを持ち左手に水を溜めます。
- 左手に溜めた水で口をすすぎます。
- 左手に水をかけて清めます。
- ひしゃくを立てるようにして柄の部分に水を流します。
- ひしゃくを元の場所に戻します。
ひしゃくに直接口をつけないよう注意しましょう。
神前ではお賽銭を入れ拝礼する
- 賽銭箱の前で姿勢を正します。
- 賽銭箱にお賽銭を入れます。
- 鈴や銅鑼(どら)があれば鳴らします。
- お辞儀を深く2回します。
- 右指先を少し下にずらして胸の前で手を合わせます(拍手)。
- 拍手は2回で、両手を肩幅に広げて拍手します。
- 両手の指先を揃え、出産報告や赤ちゃんの健康を祈願します。
- もう一度深々とお辞儀します。
お賽銭は投げ入れずそっと入れ、鈴や銅鑼(どら)は大きな音で鳴らさないよう注意しましょう。
神前から参道で戻り鳥居をくぐる
- 参拝の後は参道の中央を避けて戻ります。
- 鳥居をくぐり神前に向かって一礼します。
一礼のときは『お邪魔いたしました』と心の中で唱えましょう。
ご祈祷を受ける場合は手水舎から社殿へ
- 手舎水で身を清めます。
- 案内されたら社殿の中に入ります。
- 社殿の手前ではお辞儀をします(1回)。
- 祝詞をあげられているときはうつむきます。
- 祝詞が終わるまで赤ちゃんの成長を心で祈ります。
- 玉串を渡されたら右回転させて祭壇に供えます。
- 一歩下がって祭壇前で「二礼二拍手一礼」します。
- お神酒を出されたら口をつけるか飲む真似だけします。
ご祈祷を受ける場合は神前でお賽銭を入れたり拝礼したりしなくてかまいません。
お宮参り当日に必要な持ち物
お宮参りの当日に『しまった……』と慌てふためかないよう持ち物リストを作成しておきましょう。
●絶対に必要なもの
- ミルクセット
- 母乳パッド
- 授乳ケープ
- よだれかけ(予備も)
- 抱っこひも
- 赤ちゃんの着替え
- おくるみ
- おむつセット
- おしりふき
- タオルやガーゼ
- ビニール袋
●暑さ対策に必要なもの
- 日傘
- 扇子
- 日焼け止め(赤ちゃん用も)
- 保冷剤(熱中症対策)
- 保冷剤をまくハンカチタオル
●寒さ対策に必要なもの
- ブランケット
- 赤ちゃん用ポンチョ
- 赤ちゃんの帽子、靴下
- カイロ(お母さん用に)
●必要に応じて用意するもの
- 初穂料
- おもちゃ
- ベビーベッド(持ち歩き用)
- ベビーカー
お宮参りするときの注意点
お宮参りするときは思いがけないハプニングを招かないよう注意点も確認しておきましょう。
- 利用する施設について調べておく
- 各場所へのアクセスも考えておく
- お宮参りの費用について相談しておく
それぞれ解説します。
利用する施設について調べておく
参拝先の神社のほか、写真撮影するスタジオ、食事会のレストランなどに「おむつ交換室」「授乳室」があるか、車移動する場合は「駐車場」があるか、飲食店には「ベビーカー」や「ベビーベッド」を持ち込めるかなど調べておきましょう。
各場所へのアクセスも考えておく
待ち合わせ場所、神社、写真館、飲食店をつなぐ動線を考えながら場所を決めるのも大切です。移動距離をコンパクトにするのはもちろん、それぞれの場所へのアクセスをスムーズにしておくことで赤ちゃんの負担が減ります。
お宮参りの費用について相談しておく
お宮参りには、「衣装代」「撮影費用」「初穂料」「飲食代」などが必要です。
すべてを赤ちゃんの両親で出すのか、いくらか祖父母にお願いするのか、父方と母方で祖母の負担に偏りがないかなど相談しておきましょう。
祖父母が「お祝い金」をくれる場合もありますが、お祝い金へのお返しは「しない」のがマナーですから、お返しの代わりに食事会を両親で負担するのもひとつです。
お宮参りは必要な準備とふさわしい作法で
お宮参りは古くからある伝統行事のため、『準備が大変そう』『参拝で恥をかかないだろうか』など悩んでしまうかもしれません
もちろん、正式な作法に沿って行う場合は時期や服装、赤ちゃんを抱っこする役割などに気を遣うでしょう。
最近の傾向としては時期をずらしたり、お食い初めと一緒に行ったり、親子だけで参拝と撮影のみに簡略化したり、慣習にこだわらず家庭ごとにお祝いするケースが増えています。
ぜひ、本記事でご紹介した当日までの準備、当日の流れや参拝作法などを参考にしていただき、赤ちゃんの祖父母とも相談しながらご家庭に合ったお宮参りを迎えてくださいね。