【香典の入れ方解説】新札と旧札、中袋なしの場合などの正しいマナー

香典を準備するとき、お札の入れ方に悩みますよね。

たとえば、「どんなお札を入れるの?」「どっちが表で正しい向きは?」など、お札の種類や方向など気になるのではないでしょうか。

本記事では、香典の正しい入れ方について以下の内容で解説します。

  • 香典に使えるお札と使えないお札
  • 香典袋ごとのお札の入れ方
  • 香典を入れるときの注意点

本記事を最後まで読んでいただければ、香典の額や香典袋の種類に関わらずスムーズに準備できますよ。

ぜひ、本記事を参考にして、失礼のないマナーで香典を渡せるよう役立ててください。

香典に使えるのは新札?旧札?

香典には、ふさわしいお札を入れるのがマナーです。

ご祝儀とはマナーが違うため、しっかり確認して失礼のないようにしましょう。

  • 新札やボロ札を避け使用感のあるものを
  • 旧札は使えるが香典にしないほうがよい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

新札やボロ札を避け使用感のあるものを

香典に使えるのは、やや使用感のある普通のお札。

ご祝儀で使うような新札は使いません。

なぜなら、新札だと事前に準備していたことになり、「訃報を予測してた」「弔事の知らせを待っていた」などの意味になるためです。

一方で、使用感があっても「しわしわ」のボロ札はマナー違反。ほかにも破れていたり、ちぎれていたりなど傷んだお札も使えません。

もし、新札しかない場合は少し折り目を入れて使いましょう。

旧札は使えるが香典にしないほうがよい

旧札(すでに発行されていないお札)でも一般的に使用できるものはあります。

たとえば、千円札なら「夏目漱石(昭和59年発行)」、五千円札なら「新渡戸稲造(昭和59年発行)」、一万円札なら「聖徳太子」昭和33年発行など。

ただ、香典だからといって旧札にしなければマナー違反というルールはありません。

見慣れない旧札に喪主や施主が困惑しないよう、香典としては避けるのが無難です。

香典を入れるときのお札の向き

香典を入れるとき、お札の向きに気をつけましょう。

  • 人物が描かれた方が「表」
  • 金額(漢数字)が描かれた方が「上」

お札の「表」と「上」を軸にして香典袋に正しく入れるのがマナーです。

ただ、お札の上下が地域によって異なるケースもありますが、特に厳格なルールがなければ上下は反対でもかまいません。

香典の正しい入れ方マナー

ここでは、香典の入れ方について正しいマナーを解説します。

香典袋の種類ごとに紹介しますので、ご参考ください。

  • 中袋ありの場合
  • 中袋なしの場合
  • 奉書紙を使う場合

ここからは図解も添えてありますので、具体的に見ていきましょう。

中袋ありの場合

多当折りで中袋がある場合、お札の表を中袋の裏に合わせて入れます。

お悔みの意味を込めて表から開けたときに「顔を伏せる」という状態になるから。

お札が2枚以上になるときは向きを揃えて入れるのもマナーです。

中袋の表には金額を、裏には住所と名前を書き、最後に香典袋に戻し入れましょう。

香典袋の裏側は下⇒上の順で折るのが弔事のマナーなので注意してください。

中袋なしの場合

香典袋が中袋なしの封筒タイプなら、お札を直接入れます。

中袋がなくてもマナー違反にはなりません。

中袋がないのは・・・

  1. 香典が少額だから。
  2. 受付で開封の手間をかけない。
  3. 地域によって「不幸が重なる」の意味になる。

などが理由です。

お札の向きは表を香典袋の裏に合わせ、2枚以上のときは揃えて入れましょう。

奉書紙を使う場合

もし、伝統的な奉書紙を使う場合、お札の表が裏側になるよう入れます。

◆奉書紙の折り方

  1. 紙は表(ツルツルした面)を下にします。
  2. 紙を横向きに置き、左に少し傾けます。
  3. お札を中央よりも左に置きます。
  4. お札に沿って下⇒左⇒右の順で折ります。
  5. 残った上部を下へ折ったら完成です。

奉書紙の表には金額を、裏には住所と名前を書きましょう。

香典袋の正しい「書き方」については、こちらに詳しく書かれていますので、よろしければ合わせてお読みください。

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香典を入れるときの注意点

香典を入れるときは、お札の向き以外にも注意が必要です。

ここでは、見過ごしがちなNGマナーを紹介します。

  • お札の枚数が偶数や忌み数字にならないよう
  • 香典袋の封はせずに開けたままで
  • 金額に見合った香典袋に入れること
  • 香典袋は袱紗(ふくさ)に入れて渡す

思いがけないNGマナーで失礼のないよう確認しておきましょう。

お札の枚数が偶数や忌み数字にならないよう

お札が複数になる場合、数が割り切れることから「故人との縁が切れる」という意味になる偶数を避けましょう。

一般的には奇数が好ましいとされますが、「9」は「苦」を連想させる忌み数字であるため連名で包むときは注意が必要。

また、「4」は偶数かつ「死」を意味する忌み数字になるため複数で香典をまとめるときは気をつけましょう。

お札の枚数を変えるときは、1万円を5千円×2枚にしたり、逆に5千円×2枚を1万円にしたりなどの調整で解決します。

香典袋の封はせずに開けたままで

香典袋の封はせず、糊やシールで貼るのも控えます。

もし香典袋にテープが付いていても貼らないのが一般的です。

封をしないのは受付での開封の手間を省くためのマナーですが、不安な場合はスムーズに開けられるよう軽い糊付けや短めのテープで対応しましょう。

金額に見合った香典袋に入れること

香典袋は中に入れる金額によって種類やグレードが変わります。

  • 3千円~1万円・・・水引が印刷された略式香典袋
  • 1万円~3万円・・・白黒の水引がかかった香典袋
  • 5万円~10万円・・・銀の水引がかかった高級和紙の香典袋

通常、香典袋の包装には目安の金額が書かれていますので参考にしましょう。

3千円~5千円の香典袋

香典が3千円~1万円なら、水引が印刷された略式タイプの香典袋に入れられます。

もし3千円なら中袋なしの封筒タイプでも大丈夫ですし、5千円なら中袋ありの多当折りタイプで差がつけられるでしょう。

1万円~3万円の香典袋

香典が1万円~3万円なら、白黒の水引がかかった香典袋が釣り合います。

アイテムによっては表書きの下の段に型押しで立体感を出したものもありますが格式は変わりません。

5万円~10万円の香典袋

香典が5万円~10万円なら、銀の水引がかかった高級和紙の香典袋で格式を上げましょう。

サイズも略式タイプより大きめなためボリューム感も増します。

水引が純銀で装飾性が高くなると10万円以上の高額な香典が入れられます。

香典袋は袱紗(ふくさ)に包んで渡す

 

香典袋は、袱紗(ふくさ)と呼ばれる布に包んで渡します。

香典袋のまま渡すのはマナー違反なので注意しましょう。

◆袱紗の包み方

  1. 袱紗の角を上にして香典袋を中央に置きます。
  2. まず右側から折ります。
  3. 次に下⇒上の順で折って重ねます。
  4. 最後に左側を折って包みます。

※もし「爪」があれば左側にして最後に引っ掛けましょう。

布タイプよりも格式は下がりますが、香典袋を入れるだけの袋型もあります。

マナーとしては袋型でも問題ありませんので、これから袱紗を準備するのであれば選択肢のひとつにされてはどうでしょうか。

香典は正しい入れ方でマナーよく

香典は、ふさわしいお札で準備し、正しい入れ方で包みましょう。

ここで、改めて香典の入れ方マナーをおさらい。

  • 香典に使うのは少し使用感のある普通のお札。
  • 香典袋は種類ごとに裏表を確認して正しい向きで入れる。
  • お札の枚数、金額に見合った香典袋に配慮する。
  • 香典袋は封をせず、最後に袱紗(ふくさ)で包む。

葬儀や法要などの弔事では作法に悩むことも多いですが、基本的なマナーを押さえておけば安心です。

ぜひ、本記事でご紹介した内容を参考にして、香典の準備に役立ててください。